ちくま新書
ルポ 若者ホームレス

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  • サイズ 新書判/ページ数 229p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480065896
  • NDC分類 368.2
  • Cコード C0236

内容説明

かつてホームレスといえば、50歳以上の男性が多数を占めてきた。しかし近年、貧困が若者を襲い、20~30代のホームレスが激増している。彼ら「若者ホームレス」は、なぜ路上暮らしを余儀なくされたのか。どのような家庭で生まれ育ち、どんな人生を歩んできたのか。若者ホームレス50人へのインタビューをもとに、若者が置かれている困難な状況を明らかにする。貧困が再生産される社会構造をあぶりだすルポルタージュ。

目次

第1章 若者ホームレスの現実(プレステを持ったホームレス;路上で過ごす夜の恐怖 ほか)
第2章 若者ホームレスと家族(「実家」をもたない若者たち;二一歳のホームレス ほか)
第3章 若者ホームレスと仕事(「正社員」経験者は意外と多い;階段から一段ずつ落ちていく感じ ほか)
第4章 ホームレス脱出(生活保護制度;自立支援センター ほか)

著者等紹介

飯島裕子[イイジマユウコ]
東京都生まれ。ノンフィクションライター。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。同研究科博士課程在籍中。大学卒業後、専門紙記者として5年間勤務。雑誌編集を経てフリーランスに。人物インタビュー、ルポルタージュを中心に雑誌、新聞等で取材・執筆を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kinkin

84
若者のホームレスが増えているそうだ。仕事が嫌でホームレスになったわけでもなく、家庭の事情、金銭問題や勤務先とのトラブル他が原因でそれはいとも簡単に若者に襲いかかる。あるものはネットカフエで、あるものは路上で。ホームレスを支援する自立支援センターやNPO法人のなかには悪質なところもあるという。読んでいて自分の若い頃には聞かなかったし身近でなった者もいなかったことに気づく。仕事があれば家があれば大丈夫ではなく日本の社会全体がよく考えて取り組んでゆく問題だと感じた。図書館本2017/05/24

どんぐり

34
マクドナルド京王八王子店が、今月下旬まで1年以上にわたり、ホームレスの来店を断る貼り紙を店内に掲示していた。店側は「不適切な文言を見落としていた」と釈明している。これは昨日のニュース報道だ。若者ホームレスの多くは野宿を嫌い、ネットカフェやファーストフード店などで夜を明かすため、彼らを見つけることは難しい。大都会の狭間に生きる若者ホームレスは、極度に不可視化された存在であるという。本書を読むと若者ホームレスの実態が見えてくる。これは一度落ちると底辺まで落ちていく社会構造の問題だ。個人の問題にしてはならない。2013/11/01

太田青磁

27
大学を出て、普通に正社員として働いていた人が、会社の倒産やリストラなどちょっとしたきっかけで職を失い、住居まで失うという状況が発生している。リーマンショックを経た2009年春ごろからビッグイシューにもかなりの数の若者ホームレスがやってくるようになった。未来に対する不安感や漠然とした孤独感を「私があなただったら、あなたが私だったら」と相手の立場を理解し合い、手を差し伸べあう契機に変えることができたらいい。と語るビッグイシューの創刊から参画する著者が、若者ホームレスの生の実態をルポタージュとして描きます。2013/10/12

kakoboo

16
今までのイメージ、ホームレス=年配の人とは大きくかけ離れたネットカフェやファストフード、ゲームといったものを持ってホームレスになる若者の実態が書かれていましたが、思っていた以上に深刻です。一度は正社員経験があった彼らは、事情によりその後派遣になったら戻れない厳しい社会のシステムを突きつけられるとともに、自分が悪いと抱え込んでしまう性格も重なり、ホームレスになってしまう。。。家族関係、そもそも対人関係で悩んでいる人も多く、様々な要因が重なっており現代の社会問題として忌避できないと感じました。2015/09/10

mayld

16
いや、本当にどうしよう。21歳でホームレスってあなた・・・私より若いんですけど。電車で読んでいてまわりを見回すと今時の若い兄ちゃんがいる、図書館に行くと突っ伏してこっそり寝てる若いスーツ姿の人もいる、もしかするとこの人たちがホームレス状態かもしれない。一文無しで社会にほっぽり出された20代、30代の若者たちは年季の入った見知らぬホームレスのおじさんの輪にすら入れずにいる。ホームレス状態がすぐ隣に現実としてあって、もしかしたら自分もなるかもしれない。この本を読んで自分だったらと多くの人に考えてみてほしい。2011/01/16

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