出版社内容情報
六〇年代の新宿。そこは伝説的なジャズ・バーや映画館などが集まる文化工場だった。濁愛、陰謀、阿鼻叫喚が混淆し、戦後日本の闇鍋を作った都市を描く地下文化史。
内容説明
一九六〇~七〇年代の新宿。そこは伝説的なジャズ・バーやシネマテークなどが集まる巨大な文化工場だった。風月堂、紀伊國屋書店、文壇バー、ATG新宿文化をはじめ、異形な場所に奇怪な人間たちがひしめきあって、戦後日本文化の闇鍋を形作った。一方で、歌舞伎町や要通り、旭町や二丁目などなど、喰い物やSEXを入力するとたちまち爆発的に膨張する欲望の街でもあった。新宿二丁目の赤線地帯で生まれ育った思想家が、濁愛、陰謀、宇宙の文学や悪魔の建築、阿鼻叫喚に劣情有理、ありとあらゆる運動を包みこんだ新宿の奥座敷を七転八倒して活写する異色の地下文化史。
目次
第1章 街を貪る―一九六九年
第2章 先住民のボサノバ
第3章 ネズミたちの映画―若松孝二の『劣情有理』
第4章 千の沼
第5章 夏目漱石の新宿二丁目
第6章 抉り取られた街―浜昇のカメラが見たもの
第7章 地底の街