ちくま新書<br> 山口組概論―最強組織はなぜ成立したのか

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ちくま新書
山口組概論―最強組織はなぜ成立したのか

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  • サイズ 新書判/ページ数 266p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480064639
  • NDC分類 368.5
  • Cコード C0236

内容説明

やくざ人口八万人のうち、約半数が山口組系である。熾烈を極める警察の取締まりのなか組織は揺らぐことがない。そもそも、やくざはなぜ存在するのか?山口組とは何なのか?神戸の小さな組が最強軍団に成長した背景とは?山口組九〇年の歴史をたどることで日本社会の深層をえぐりだす。いま格差社会の波と暴対法下の重包囲網をまえに、山口組は少数精鋭化への道を歩み始めたともいわれている。巨大組織の歴史と現在、今後を展望する。

目次

序章 ヤクザとは何か
第1章 六代目体制の衝撃
第2章 山口組誕生と近代やくざ
第3章 三代目と全国制覇
第4章 カリスマなきあとの分裂抗争
第5章 バブルと暴対法の時代
第6章 山口組はどこへいくのか

著者等紹介

猪野健治[イノケンジ]
1933年滋賀県生まれ。新聞・雑誌の記者・編集者などを経て、フリージャーナリストとして活躍中。その間、日本ジャーナリスト専門学校専任講師・評議員を務め後進の育成にもあたった。やくざ、右翼、総会屋などをテーマにした分野においては先駆者的な存在であるとともに、いまも第一線で取材・執筆をつづけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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yumiko

68
以前から気になっていた一冊。ヤクザの始まりから山口組の現在まで、通史で読むことで知りたかったことが端的に分かった(つもり)。類稀なる実力とカリスマ性を兼ね備えた三代目の元で組は拡大。表の社会に正業を持つことで、経済的基盤がしっかりあったことが大きな要因だ。政財界も必要な時には彼らを利用していたのは公然の秘密。数々の抗争や内部の揉め事も、より結束を固めることに繋がった。これで分かったつもりになってはいけないけれど、私の頭の中のヤクザと彼らはちょっと違っていた。もう少し彼らのことが知りたい。2017/04/20

遅筆堂

20
非常にわかりやすい山口組本。決して肯定をしないが、必要悪というものが世の中に存在することも事実。「阪神大震災とボランティア」の項、素直に感動していいものか自問している。2011/01/11

河織吾郷

13
山口組分裂騒動を読み解くために再読した。本書は山口組の成立から現六代目体制に至るまでの過程を、人物史・抗争史・組織論の多面的視点を交えて論じている。どの読者も読了後には今回の騒動の歴史的背景を知ることができるであろう。さながら良質な日本近現代史を繙いている気分さえ感じてしまう上に、やくざはなぜ存在するのかという存在論的思考にまで巡る。キーワードを挙げるならば、戦後日本社会・高度経済成長の歪み・暴力の利用・米国の圧力・格差社会・平和共存・暴力と正義といった一見すると現代社会のテーマそのものであるのだ。2015/09/01

ごんちゃん

5
山口組の成り立ちから現在までが解かる通史。超面白い。これ、ほとんど企業小説やな。山口組歴代組長、スゴすぎる。ただ、この本、ヤクザのカッコいいとこしか書かれていない。陰惨な面は無視なのねん。いつの時代も暴力的傾向を持つ社会不適応者は必ず一定数いる。その受け皿として、ヤクザ組織があってもいいのかもって肯定したくなる。でもそれはやっぱり違う気がする。本来、社会的弱者のセーフティネットは行政が考えるべき問題だよね。2015/07/21

にゃん吉

3
「近代やくざ」の代表的存在として山口組を捉え、大正時代から2008年ころまでの山口組の歴史が概説的に叙述されています。近代日本の政治、社会、産業、経済の発展、変容とともに、裏社会も変容を遂げるといった関係を感じさせる出来事が照射されており、裏から見た日本近現代史といった趣があります。   2020/11/17

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