内容説明
「大学全入時代」という言葉がささやかれている。誰もが進学可能な印象とは裏腹に、統計調査からは、大学進学にあたって様々な格差があることが浮かび上がってくる。親が子の教育費を負担するのは当然という意識は、世界を見渡すと日本は突出して高い。このことが進学にまつわる問題を覆い隠してきた面があるのだ。今後、教育費の公的負担と私的負担はどのような関係をとればよいのだろうか。各国との比較をふまえ、現状認識と同時に、日本の教育政策に再考を促す一冊である。
目次
第1章 大学進学の費用と進路選択(大学進学にはどれくらい費用がかかるか;教育費負担の問題)
第2章 高等教育機会の選択(大学進学の格差は縮小したか;「大学全入時代」?の進路選択 ほか)
第3章 子どもの進路に対する親の希望と教育費負担(子どもの進路に対する親の希望;進路選択と家計の教育費負担 ほか)
第4章 各国の教育費負担と奨学制度(教育費負担の現状;各国の教育観と授業料・奨学金の概観 ほか)
第5章 教育費負担と奨学金のあり方(大学教育費の高騰;授業料・奨学金制度の各国共通の動き ほか)
著者等紹介
小林雅之[コバヤシマサユキ]
1953年生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。放送大学教養学部助教授などを経て、東京大学・大学総合教育研究センター教授。博士(教育学)。専攻は、教育社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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