内容説明
戦後世界でアジアほど、巨大な変貌を遂げた地域は他にない。独立と革命、冷戦と内戦で覆われたかつてのアジアは、世界で最も経済的活力に溢れる地域へと姿を変えた。一体何がこのアジアの変貌をもたらしたのか。その鍵を握る海域アジアの戦後史は、海洋国家・日本の歩みと軌を一にするものであった。アメリカの冷戦戦略やアジアにおける大英帝国の解体、そして「中国問題」の台頭というアジアの現在を形作った劇的な時代における日本の秘かな航跡を描き出し、再び政治の時代を迎えつつあるアジアの中での新たな役割を提示する。
目次
第1章 「アジア」の誕生―バンドン会議と日本のジレンマ(「アジア」の誕生;バンドン会議への招請状 ほか)
第2章 日本の「南進」とその波紋―独立と冷戦の間で(立ちはだかる戦争の傷跡;賠償交渉という関門 ほか)
第3章 脱植民地化をめぐる攻防―日英の確執、中国との綱引き(「南進」の深化と行方;イギリス帝国再編の試み ほか)
第4章 戦後アジアの転換点―一九六五年(九・三〇事件―謎のクーデター;スハルト少将の裏切り、事件の謎 ほか)
第5章 アジア冷戦の溶解―米中接近と「中国問題」の浮上(米中の「手打ち」、冷戦と革命の放棄;中国に急接近する日本 ほか)
著者等紹介
宮城大蔵[ミヤギタイゾウ]
1968年東京都生まれ。92年、立教大学法学部を卒業後、96年までNHK記者。2001年、一橋大学大学院法学研究科博士課程修了。博士(法学)。立教大学法学部助手、北海道大学法学部専任講師などを経て、政策研究大学院大学助教授。著書に『戦後アジア秩序の模索と日本』(創文社、サントリー学芸賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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