ちくま新書
「海洋国家」日本の戦後史

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  • サイズ B40判/ページ数 231p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480064325
  • NDC分類 319.102
  • Cコード C0231

内容説明

戦後世界でアジアほど、巨大な変貌を遂げた地域は他にない。独立と革命、冷戦と内戦で覆われたかつてのアジアは、世界で最も経済的活力に溢れる地域へと姿を変えた。一体何がこのアジアの変貌をもたらしたのか。その鍵を握る海域アジアの戦後史は、海洋国家・日本の歩みと軌を一にするものであった。アメリカの冷戦戦略やアジアにおける大英帝国の解体、そして「中国問題」の台頭というアジアの現在を形作った劇的な時代における日本の秘かな航跡を描き出し、再び政治の時代を迎えつつあるアジアの中での新たな役割を提示する。

目次

第1章 「アジア」の誕生―バンドン会議と日本のジレンマ(「アジア」の誕生;バンドン会議への招請状 ほか)
第2章 日本の「南進」とその波紋―独立と冷戦の間で(立ちはだかる戦争の傷跡;賠償交渉という関門 ほか)
第3章 脱植民地化をめぐる攻防―日英の確執、中国との綱引き(「南進」の深化と行方;イギリス帝国再編の試み ほか)
第4章 戦後アジアの転換点―一九六五年(九・三〇事件―謎のクーデター;スハルト少将の裏切り、事件の謎 ほか)
第5章 アジア冷戦の溶解―米中接近と「中国問題」の浮上(米中の「手打ち」、冷戦と革命の放棄;中国に急接近する日本 ほか)

著者等紹介

宮城大蔵[ミヤギタイゾウ]
1968年東京都生まれ。92年、立教大学法学部を卒業後、96年までNHK記者。2001年、一橋大学大学院法学研究科博士課程修了。博士(法学)。立教大学法学部助手、北海道大学法学部専任講師などを経て、政策研究大学院大学助教授。著書に『戦後アジア秩序の模索と日本』(創文社、サントリー学芸賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ceskepivo

8
戦後の補償問題というと、中国と韓国に関心が集まりがちであるが、本書は対インドネシアを中心に解説。当初の米国の戦後の構想が、東南アジアの資源と日本の工業力を結び付け、日本と東南アジアを復興させ、強力な反共の防波堤を築くことが目的だった。2014/06/01

gogo

7
インドネシアとの関係を中心に戦後日本のアジア外交を論じる。大戦で満州という一大植民地を失った日本は、戦後、豊富な資源と人口をもつ市場としてインドネシアに活路を見出す。アジア・アフリカ会議(55年)から9月30日事件(65年)後の時期には、米国の意向を汲みつつも日本が独自の外交を展開し、概ね成功を収めていたことがわかる。また、スカルノ初代大統領と駐イ日本大使との戦時中から続く絆や、デウィ夫人の政治的駆け引きにまつわるエピソードも興味深かった。最近読んだ新書では抜群に面白かったが、すでに絶版なのが残念だ。2015/04/11

nizi

4
戦後日本がいかにして貿易、海洋国家として歩んだのか……という本ではなく、ほとんどがスカルノ、スハルト体制のインドネシアの話。米国目線で見ると同時期のベトナム戦争と米中接近が主となるが、日本からだと実は対インドネシア外交が主となり、欧米諸国(特にマレーシアに権益を持つイギリス)とは外交的対立にあったという説は面白い。日本は自らの経験から一貫して「経済発展こそがその国の国内対立を解消する」との方針であたっており、非難されがちだったばらまき外交も、場当たりではなく主義として確立していたのが興味深かった。2024/05/30

日の光と暁の藍

4
タイトルは海洋国家日本の戦後史となっているが、内容は戦後インドネシア外交史である。インドネシア一国を舞台として、日本、アメリカ、イギリス、中国、東南アジア諸国、そして当事国のインドネシアが、どのような思惑のもとにいかなる外交の駆け引きをしたかが本書で詳しく論じられる。外交というものが持つ各国の影響力を巡る必死のせめぎ合いが本書で非常に面白くスリリングに描かれている。外交という学問分野としても日本国の未来に関わる一大事としても本書の内容を一読出来て本当によかったと思わせられた一冊だった。2021/08/14

toriarii

3
某4gamersのレビューで気になった本。紹介通り戦後日本人が知識として知ることが少ない、東南アジア外交をインドネシアという"隠れた大国"との駆け引きを通じて読者に紹介してくれている。国内での平和国家というタテマエと、経済発展のための資源、市場供給源の確保という本音、冷戦下の共産中国に対するアジアの自由主義国代表という重圧を、時間経過を通じてわかりやすく解説している。また、本書のもう一つのテーマ、革命から殖産への切り替えが国家運営上いかに重要かを、周恩来とスカルノを通して教えてくれている。2013/07/13

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