内容説明
北朝鮮問題は激変した。北朝鮮の核実験とミサイル発射、さらには「偽米ドル」事件の対応に明け暮れる中で、北東アジアの新しい秩序を話し合うはずだった「六カ国協議」は、いつの間にか「米朝協議」を軸にまわり始めた。ところが日本は制裁強化を維持したまま、交渉は手詰まりになっている。劇的な変化はなぜ生まれたのか。拉致問題はどうなるのか。朝鮮半島をめぐる資源争奪戦が見え隠れする新たなグレート・ゲームを、グローバル経済を背景に鮮やかに読み解く。
目次
第1章 「ウルトラ・ダラー」という罠(小説『ウルトラ・ダラー』の登場;「スーパーノート」とは何か ほか)
第2章 バンコ・デルタ・アジアはなぜ狙い撃ちにされたのか(バンコ・デルタ・アジアの弁明;シークレット・サーヴィスとは何か ほか)
第3章 アメリカの焦りと欧州の怒り(アメリカとは異なる欧州との出会い;「CIA犯人説」を唱えるドイツ紙 ほか)
第4章 「月に憑かれた」日本の北朝鮮外交(ホノルル協議での一幕;「偽米ドル」を語る元ファンド・マネジャー ほか)
第5章 縮みゆく米ドル覇権と北朝鮮問題の行方(「米朝接近」と「円高」の意外な相関関係;二〇〇七年は「円高」への転換点 ほか)
著者等紹介
原田武夫[ハラダタケオ]
1971年生まれ。1993年東京大学法学部を中退し、外務省入省。ベルリンでの在外研修、西欧第一課、大臣官房総務課を経て、2005年3月、北東アジア課北朝鮮班長を最後に自主退職。その後、独立系シンクタンク・原田武夫国際戦略情報研究所を設立し、代表に就任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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