内容説明
ビジネスマンや学者に限らず、発想の転換は誰にも必要。夕飯の献立もデートの会話も、マンネリにならないように機転を利かせることで楽しくなる。発想は新鮮に生きるための文法だ。歴史上の大発明も日常の小さな発見も、大なり小なり型破りな視点から生まれるけれど、人は誰かに意味づけられた記号によって話し行動する。言語の「正しさ」に振り回されると、ありきたりな考え方しかできなくなってしまう。つまり言葉の限界が発想の限界なのだ。そこで―。“笑う言語学”による「創造的なひらめき」を得るためのヒント集。
目次
第1章 発想を妨げるもの(発想はいつでもどこでも必要;発想の現場から ほか)
第2章 言語を反省する(「共有」のためのコミュニケーション;「構造主義者」ソシュール ほか)
第3章 たった一つの「正解」で満足?(真理は一つもない;コンテクストで意味が変わる ほか)
第4章 果報は寝て待て(別解を求めて;セレンディピティとひらめき ほか)
著者等紹介
金川欣二[カナガワキンジ]
1952年富山県生まれ。東京教育大学文学部大学院修士課程修了。国立富山商船高等専門学校教養学科教授。専門は言語学・記号論・表象文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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桔梗屋
4
「言語学の応用」と言うよりは、学者がとりとめもなく雑談して、たまに言語学っぽいワードを絡ませてるだけのような印象を受けた。確かにところどころ面白かったし、ところどころ奥深そうにも読めなくは無かったけど…言うほど「言語学」って感じでは無かったような。ま、「言語学」ってカテゴリ自体が、割とざっくりしていて、包括的にちゃんとしたことを語るには細分化され過ぎちゃってるのか、あるいは他分野との融合が進み過ぎてて、「これが言語学やで!」と言い切れないもどかしさなのか。読んでるこっちも、何だかもどかしい感触だった…2023/01/29
Kota Abe
4
本質を決めるのは非本質であるということ2016/01/03
Kota Abe
3
言語学にかかわる思想家たちの思想、その思想をわかりやすい言葉で説明し、さらに日常のシーンとして想像しやすい簡単な例え話を加える。 これらが最後まで続く著書。 読書を広げることができる。2016/07/13
渡りに船
1
マッピング(幽体離脱)とは外から自分を見つめ、自分の立ち位置を知ること。言葉によって常識が固定化されてしまうけれど、ジョークや想像力は常識の外側を考えなければ生まれない。ボケとツッコミは水平思考と垂直思考。物語の登場人物を別の舞台に移す(デペイズマン)によって新たな発見が生まれる。異なる二つを組み合わせることなども同じ手法(アンコ+パン)。文化の中心が行き詰まった時、変動は中心と周縁の綱引きによって起こる。プロは中心、アマは周縁にいる。コンテクストによって意味が変わる(1+1は二進法だと10など)。2024/12/04
ず〜
1
軽めの本かと思いきや、思いがけず言語学と哲学の関わりについて学ぶことができた。著者の守備範囲の広さにも驚く。「発見」というのは今まで知っていたけど気づいていなかったことに気づくこと、もしくは新しい組み合わせに気づくことだそうだ。これを肝に命じてもっと勉強しなくては…。すべては「発見」のために。2017/09/16