出版社内容情報
古代から現代まで、著者がその政治観を形成する上でたえず傍らにあった名著の数々。選ばれた30冊は混迷を深める時代にこそますます重みを持ち、輝きを放つ。
内容説明
人間が集団の中で生活することのあり方や異なる集団同士のもつれ合いと闘争…。そこには一定の解はなく、その都度の考察を必要とする。政治学の名著が扱ってきたのはまさにそのことに他ならず、現実がますます混迷を深めているいまだからこそ、それらを繙くことは千鈞の重みを持つにちがいない。厳選された三〇冊の世界へ政治学の第一人者が案内する。
目次
1 政治の意味
2 政治権力
3 政治と徳
4 政治と宗教
5 政治と戦略・平和
6 政治と経済
7 民主政論
8 歴史の衝撃の中で
著者等紹介
佐々木毅[ササキタケシ]
1942年秋田県生まれ。東京大学法学部卒業。東京大学教授、東京大学総長を経て、学習院大学法学部教授。博士(法学)。日本における政治学・政治思想史研究の第一人者であり、数々の要職を歴任。著書に『いま政治になにが可能か』(中公新書、吉野作造賞)、『政治に何ができるか』(講談社、東畑記念賞)、『プラトンの呪縛』(講談社、和辻哲郎文化賞、読売論壇賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おおかみ
9
『社会契約論』『法の精神』『論語』『永遠平和のために』といった古今東西の名著を解説する。「政治と宗教」「政治と戦争・平和」のような章立てが便宜上設定されていて有用なのだが、1作品につき6~7ページで紹介されるため、その情報は実に濃密。多少の前提知識を有する読者がそれを整理するのに適している。2011/03/17
みどるん
7
政治学の名著30の概要が書かれているが、おそらく各々の概要を予め知っていないと読めない。概要を知っている前提で概要を読む、復習に近い。30の中の更に名著ぐらいしか理解できなかった。2014/05/29
Akiro OUED
5
タイトルが違うな。有名な非政治学的古典を政治学の視点から紹介していく。アレントが説くアトム化した大衆を動員する全体主義は、アメリカで進行中だし、丸山眞男が指摘する矮小な指導者が暮らす無責任の体系は、日本で展示中だ。ウクライナ戦争は、正義じゃなくて政治の問題だと思わせる。好著。 2024/06/21
tolucky1962
4
重要な本が並べられていて、ここにある本を読んで行けば勉強になるんでしょうね。難しい用語や言い回しがそのまま使われているので、初心者がこの本を読んで全体の大枠が分かるようにはなっていない。十分勉強している人にとってはよくまとめてあって振り返るには良いようにできているのでしょう。でもなんとなく雰囲気つかめたかも^^2015/06/11
クレストン
3
政治学、政治思想史が専門の方による政治学の名著を30冊チョイスし概説を行う本。選ばれた本や解説を読んでいると単に権力や社会思想の著書だけでなく徳、宗教、戦争、経済などのフィールドを属する本もチョイスされており広く視点を向けている事が分かる。そう考えると政治学はかなり広い社会的な思想哲学を包括できる学問である様に感じた。本のページ数が少なめなので1冊あたりに割かれているページ数は少ないのでさっと読むことが出来る。しかし、今の自分にはまだ解釈する能力が足りなかったので再挑戦したい。2022/05/16