出版社内容情報
日米戦争はなぜ回避できなかったのか?
日本の岐路で現れる「アジア主義」と「親米外交」の相克を論じながら、1930年代の現在性とアジアの運命を鋭く分析する。
内容説明
いま、東アジア共同体をめぐる議論が盛んになされている。その一方で、日本は中国、韓国と相互不信を深めつつある。こうした状況は、一九三〇年代の雰囲気と酷似している。当時の日本も、中国との緊張を高めながら満州国を建設し、「東亜協同体」構想を掲げていた。しかも意外なことに、アメリカとの関係が最重要視されていた。では、なぜその努力は実を結ばず、日米戦争が起きてしまったのか?本書は、満州事変から日中戦争への流れを、近代日本の岐路で常に現われた対米協調とアジア主義の相克という視点から振り返り、日本がアジアの地域主義を考えるときの普遍的な課題を浮かび上がらせる。
目次
第1章 今なぜアジア主義を問いなおすのか
第2章 「アジア主義」外交はどのように形成されたのか
第3章 「東亜モンロー主義」外交とは何だったのか
第4章 侵略しながら連帯する
第5章 なぜ「東亜新秩序」は実現しなかったのか
第6章 歴史の教訓
著者等紹介
井上寿一[イノウエトシカズ]
1956年東京都生まれ。一橋大学社会学部卒業。同大学大学院法学研究科博士課程、同大学法学部助手などを経て、学習院大学法学部教授。法学博士。主な著書に『危機のなかの協調外交―日中戦争に至る対外政策の形成と展開』(山川出版社、吉田茂賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yasu7777
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samandabadra
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