出版社内容情報
感染症の流行や自然災害、テロや事故など現代社会の危険度は増すばかりである。
低いとされる日本のリスク対応能力の特徴を分析し、「巷の危機管理」を提言する。
内容説明
現代人の生活は、新しい感染症の流行や自然災害、テロ、地域紛争などによって、危険で不確かなものになっている。専門家にとってはもちろん、普通の人にとってはなおさらのこと、そうしたリスクのほとんどは、事前に対応するのが難しい。過去の経験や科学の知識に照らしても、実際の被害の大きさやその広がりの予測は、きわめて難しいからである。残された道は、被害の発生後に適切に対応することである。先進国の中で最も低いとされる日本人のリスク対応能力の特徴を検証し、「巷の危機管理」を提言する。
目次
第1章 変化する危機意識
第2章 危機対応が下手な日本人
第3章 安全と安心の力学
第4章 多様化するリスクをどのように知るか
第5章 リスクを知ったときにどう行動するか
第6章 プロテウス的リスク管理
著者等紹介
広瀬弘忠[ヒロセヒロタダ]
1942年東京生まれ。東京大学文学部(心理学科)卒業。東京大学新聞研究所助手を経て、東京女子大学教授。文学博士。この間、オハイオ州立大学客員研究員、フルブライト上級研究員、京都大学防災研究所客員教授などを兼任する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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B.J.
8
我々の注意は急激に変化するもの・すばやく動くものに、より多く向けられるが、少しずつ変化するものや、ジリジリッと近づいてくるものには、あまり注意を払わない。 ・・・本文より。東日本大震災の翌月、仙台でガソリンを入れるのに寒い中4h並んだ。そのせいか、今、ガソリンは1/4減るとすぐ給油する習慣がついた。 2020/02/15
葛
1
著者:広瀬弘忠 2006年2月10日第1刷発行 発行者:菊池明郎 発行所:株式会社筑摩書房 装幀者:間村俊一 印刷・製本:株式会社精興社 湯原法史 飯田早苗 定価:本体価格700円+勢 税 リスクストレス2025/06/03
壱萬参仟縁
0
6年前に発刊された本著を、3.11後の今、読んでもテーマとして重要に思える内容である。原発事故への対応が、かなり問題であることからも、そう思う。特に、凍りつき症候群という、思考停止、頭真っ白、体は麻痺して動かない。こういったことへの自省を促されている気がする。リスクというものへの対応とはっても、日頃の思想や行動が大きく影響すると思う。こころして過ごさないと、と思った。2012/06/07
te_R9
0
2006年の本だが,今の原発事故の対応などをみるに,本書に書かれているようなリスクコミュニケーションを発信者・受信者ともに上手にとっていくことは非常に大事なのだと痛感した.原発事故後に官房長官が繰り返していた「ただちに影響がでるわけではない」などの説明は下手なリスクコミュニケーションの典型であろう.じゃあどうすればよいか?本書の後半には提言が書かれているが,残念ながらこの部分がよく理解できなかった..2011/07/29
tk
0
この人の本は結局何が言いたいのかわからない。2011/06/06