ちくま新書<br> 丸山真男―ある時代の肖像

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ちくま新書
丸山真男―ある時代の肖像

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  • サイズ 新書判/ページ数 316p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480061843
  • NDC分類 311.21
  • Cコード C0231

内容説明

「進歩」が輝いた戦後の一時代は、丸山真男の時代でもある。『日本政治思想史研究』によって気鋭の思想史研究者として注目された丸山は、また時論の人ともなった。「超国家主義者」、「日本ファシズム」批判に始まる論考と発言は、進歩的論壇の流れをつくり、今も広く読者を集める。講和問題や朝鮮戦争、ベトナム反戦や憲法九条、天皇問題などに現われる軌跡をたどり、丸山に「持続する気分」をとおして、戦後日本の夢と悔恨をふりかえる。

目次

第1章 先生と私(江戸との出会い;大学紛争 ほか)
第2章 思想家と思想史家―だれが一流思想家か(「一身にして二生を経る」;世代交代と二つのデモクラシー ほか)
第3章 戦争と平和―朝鮮戦争から憲法九条まで(戦後神話は死なない…;『世界』と丸山 ほか)
第4章 リベラルと反共―「反・反共主義」をめぐって(反共ということ;「反・ファシズム」と「反共国家」ソ連 ほか)
終章 天皇と美学(「天皇制」と「執拗低音」;叙勲と美学)

著者等紹介

水谷三公[ミズタニミツヒロ]
1944年生まれ。東京大学法学部政治学科卒業。同助手、東京都立大学教授を経て、現在は国学院大学教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぽん教授(非実在系)

2
かつて丸山のゼミにも参加しその同僚の進歩派知識人にして戦後行政学の基礎をつくった辻清明のもとで助手を務めた著者による、丸山眞男を中心とする進歩派知識人の、ソ連や中国・北朝鮮などへの甘さ・認識不足といった事柄への壮絶なる愚痴である。本店たる思想史研究者としての丸山のシャープさが、夜店たる進歩派評論家としての丸山では発揮されないことを、本店たる研究者の立場から批判に次ぐ批判を行っている。研究者としての丸山を尊敬してるが故の著者の真面目さには脱帽する他ないが、そのモヤモヤは後世が晴らすほかないとも感じている。2015/05/24

バルジ

1
相当に辛辣な批判を加えつつどこか恩師への尊敬の念を感じさせる一冊だった。著者が学生として過ごした1960年代の雰囲気というのも一端ではあるが知ることもでき、このあたりは竹内洋『革新幻想の戦後史』と併せて読んでみるのもいいかもしれない。2017/02/01

挙党協

0
初めて水谷氏の文章を読んだが、ダンディな文章を書かれる方だと思う。内容を丸山に対して冷笑的にまとめれば、「丸山眞男にも限界はある」となろうが、水谷氏自身は丸山の「気分」に接地し、それを包む時代の相に思いを馳せ、ひたすら疑問や違和感をぶつけつつもそうはまとめない。それがまだるっこしく見える向きと、好ましく見える向きと、半々だろう。ともかくも飄々とした本だ。2017/02/17

Ikkoku-Kan Is Forever..!!

0
「思想史研究という『本店』の丸山眞男ではなく、『夜店』を出した丸山眞男を訪ね、どんな品をいかなる考えで並べていたのかを振り返り、訊ねてみた」p7と始まる本書だけど、正直何が言いたいのかよく分からず。自分、素人なんで。やはり、本店への視座の重要性を感じた。2012/10/12

WS

0
丸山眞男という人物はどういう人物で、何をやってきたのかがよくわかった。勲章について、横田喜三郎と違い筋を通しているところは良いと思った。同時に横田喜三郎の筋の悪さを実感した。2023/05/11

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