内容説明
ロバート・キャパは一九三六年、スペイン戦争下のコルドバで撮った「崩れ落ちる兵士」が「ライフ」に掲載され、世界的に注目される存在となった。第二次世界大戦では「ライフ」などの特派員として従軍したが、なかでもノルマンディー上陸作戦のドキュメントは、そのブレた画面が最前線の迫力をそのまま伝えていて、今日でも高い評価を得ている。インドシナ戦争の取材中の一九五四年に地雷を踏んで亡くなるまでを、現地取材も交えてたどり、二〇世紀の戦争を駆け抜けた写真家の人生と個性的な作品世界に迫る。
目次
第1章 戦争写真はなぜ面白いか
第2章 エンドレの旅立ち
第3章 「ライフ」の物語と戦場の友
第4章 パリ解放の朝
第5章 美貌の都
第6章 最期に見たもの
著者等紹介
加藤哲郎[カトウテツロウ]
1941年東京都生まれ。本名・康男。早稲田大学政治経済学部新聞学科中退。編集者、写真評論家。1964年集英社に入り、「週刊プレイボーイ」創刊からグラビアなどを担当する。以後「日本版PLAYBOY」編集部、「集英社文庫」編集長、「すばる」編集長、文芸出版部長等を歴任したのち退社。その後も恒文社専務取締役として出版に携わるが、2004年に退任。この間、現代文学と写真にかかわる評論を中心に執筆活動を続け、「アサヒカメラ」等に写真評論を連載する
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
風
19
俺の血がインドシナへ行くのを止めてくれない!。1913年ハンガリーの首都ブダベストで生まれ、5つの戦場を駆け巡った。キャパの名は、通信社へ売り込もうと「アメリカの凄いカメラマン」をでっち上げた架空の人物名だった。ポーカーとバーボンを愛しイングリッド・バーグマンに愛された。本書は彼の生涯の輪郭をなぞっている。「崩れ落ちる兵士」、「ドイツ兵の子供を産んで髪の毛を剃られた女性」に彼の戦場をみた。著書「ちょっとピンボケ」を読みたい。くどいが愚生のプロフィール写真がかなりピンボケなのは偶然ではない。そう信じたい。2014/04/26
くろにゃんこ
15
家を持たない暮らし・・・これってすごい。家具とか何も持ってないのだなぁ。そうして交友関係の広さに驚いた。ピカソやヘミングウェイ、そして女優さん。稼いでは使う華やかな暮らし。激動の時代を駆け抜けた写真家。2024/05/28
Akio Kudo
1
★★★ ロバート・キャパをよく調べた本。アウトプットが少しくどいような感触を受けるが、彼の人間性を上手く描いている2018/08/21
おりほむ
0
キャパの一生をざっと眺めるには分かりやすい本である。写真集を観たくなった。2012/03/12
-
- 和書
- エマージェンシー臨床推論