内容説明
いま日本の政治や行政の体制が大きく変わろうとしている。その中で改革の中心となる動きが、「市町村合併」である。しかし、「合併」それ自体を目的としているのでは、真の課題はみえてこない。どういう「構造改革」をしたいのか、どういう「地域」をつくりたいのか、そのヴィジョンを持つことによって、はじめて「市町村合併」が地方再生のチャンスとなる。本書では、市町村合併の進め方から、議会のあり方、地域づくりの方向、自治体プロのあり方、さらには将来の地方制度など、幅広く具体的な提案をまじえて、これからの日本を考える。
目次
第1章 転換期にきた地方自治
第2章 なぜ市町村合併か
第3章 市町村合併の設計
第4章 政策官庁としての自治体
第5章 地域経営の新しいスタイル
第6章 人材経営の新たな方向
第7章 議会は変われるか
第8章 地方財政の自立改革
第9章 地方制度の将来
著者等紹介
佐々木信夫[ササキノブオ]
1948年生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科修了。法学博士。東京都庁勤務、聖学院大学教授、米カリフォルニア大学(UCLA)客員研究員を経て、現在、中央大学経済学部・同大学院教授。専門は行政学、地方自治論。理論と実践の両面からユニークな改革を提言。わかりやすい講演には定評がある。市町村合併のテレビ解説で第4回NHK地域放送文化賞を受賞
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感想・レビュー
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Mark
23
「市町村合併」の続編。内容はよく理解できますが、じゃあどうしたら地方は変われるのか、大きな枠組みの話が多いせいか今ひとつな感じがします。それでも、問題、課題は山積みなのでやはり私達自身が真剣に考えていかねばと思ったしだいです。2015/02/02
佐島楓
18
前作「市町村合併」より、まとまっていてわかりやすい印象を受けた。誰のための合併なのか。誰のための行政なのか。見失ってしまわれては困るし、私たち住民も、声をあげるべきときにはあげていかねばならない。2014/07/12
がっち
1
財政危機、少子高齢化、広範化などにより平成の合併といわれるものが行われた。これで地方は変わることができたのだろうか。いや、変わっていない自治体ばかりで、いまも四苦八苦してる自治体ばかりだ。この本には地方自治体が生きる残るための手段が体系的に書かれていた。C2011/06/19
壱萬参仟縁
0
小泉改革のときに出された本。市町村合併で、地域個性をどのように発揮できるのか、問われているが、議会の議場が使用されないなど、ハード面での問題がある。また、ソフト面では、職員が年功賃金体系を堅持しており、コスト削減につながっていない、などの問題が残っている。どうにかしないと、増税だけでは市民を説得できないのではないか?2012/04/09