内容説明
バブル期には絶賛された日本的経営も、いまや全否定の対象とすらなる。だが大切なのは、日本型組織の本質を維持しつつ、腐った組織に堕さないよう、自ら主体的に思考し実践していくことだ。本書は、流行りのカタカナ組織論とは一線を画し、至極常識的な論理をひとつずつ積み上げて、組織設計をめぐる多くの誤解を解き明かす。また、決断できるトップの不在・「キツネ」の跋扈・ルールの複雑怪奇化等の問題を切り口に、組織の腐り方を分析し対処する指針を示す。自ら考え、自ら担うための組織戦略入門。
目次
第1部 組織の基本(組織設計の基本は官僚制;ボトルネックへの注目;組織デザインは万能薬ではない ほか)
第2部 組織の疲労(組織の中のフリーライダー;決断不足;トラの権力、キツネの権力 ほか)
第3部 組織の腐り方(組織腐敗のメカニズム;組織腐敗の診断と処方)
著者等紹介
沼上幹[ヌマガミツヨシ]
1960年静岡県生まれ。一橋大学社会学部卒。同大学院商学研究科修士課程修了。現在、一橋大学大学院商学研究科教授。専攻は経営戦略論、経営組織論、経営学方法論。経営戦略や経営組織の基本的な考え方から、日本の技術革新や日本的経営・日本型組織まで、地道に、しつこく徹底的に考え抜く研究者。著書に『液晶ディスプレイの技術革新史』(白桃書房、日経経済図書文化賞・毎日新聞社エコノミスト賞受賞)など
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
48
プレジデント連載のものを再構成したものだということで、知的武装講座で読んだことがあるような気がしていました。新書版なので読みやすいのですが、トピックを中心にしているせいか、理論的な部分は少ないような気がしました。ただ入り口段階でこのような本を読んでおくのはいいと感じます。2015/05/18
Kiyoshi Utsugi
33
沼上幹の「組織戦略の考え方」を読了しました。 沼上幹は、一橋大学大学院の教授をされている方。 ・組織の基本 ・組織の疲労 ・組織の腐り方 の3部構成。 個人的に一番面白かったのは、組織の腐り方。「会社の寿命は30年」と書かれているのてすが、確かに人間が中心になって出来ている組織なので寿命はあるんだろうなとは思いますが、30年なのか… 著者は、日本型組織の本質を維持しながら、腐った組織に墜さないように、自ら主体的に思考し実践していくことが必要であるという主張で、そこは確かになるほどと思いました。😀2022/02/03
hatayan
27
組織を健全に運営するポイントをまとめた本。 官僚制を安易に批判するのは禁物。 中間層が日常業務をこなせるからこそ管理者は分析・判断に時間を割ける。きちんと努力していれば誰かが見ている安心感がなければ手抜きするフリーライダーが生まれる。 会社が優れた意思決定を生み出せるかを規定しているのは社員の間で語られる雑談の質。 企業にはコミュニティの側面もあるが第一義は利益を稼ぎ出すための組織であり、組織の意思決定がすべての従業員にとって必ずしも心地よいものではない。 新年度が近づく時期にあって頷きながら読みました。2019/03/06
Thinking_sketch_book
20
★★★☆☆ 組織戦略を立てる前に一読が必要な本 利益をあげる事を考える際に日本の企業が歪んだ組織構造、考え方に陥りやすいことを実例をあげながら説明している。 だからどうしたら良いまでは書けていなくても、良く不満がまとまっており非常に良い2018/02/16
今野 富康
12
良書。組織の中で起こる様々な現象を明快に説明している。社員のモチベーションを高める方法、組織を腐らせるフリーライダーの対処法、社内の和を重んじすぎた結果うまえる「落とし所」ばかりを探して決断できないリーダーなどなど。起きている現象の背景を考えるヒントになると思う。2016/08/10
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