ちくま新書
世界を動かす石油戦略

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B40判/ページ数 222p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480059857
  • NDC分類 568
  • Cコード C0233

内容説明

石油は、世界全体のエネルギー消費の四割をまかなっている。この石油をめぐって、米国と中東産油国、ロシア、中国が二〇世紀とはまったく異なる「国際政治ゲーム」を繰り広げようとしている気配が濃厚である。石油をめぐって国際情勢が大きく動かされる時代、あるいは石油が国際政治によって大きく動かされる時代を再び迎え、日本はどのように対応すべきなのか。

目次

序章 石油をめぐる地政学とは何か?
第1章 なぜ米国は石油に政治介入するのか?
第2章 石油同盟と化す米ロ関係
第3章 さらに不安定化する中東
第4章 大きな攪乱要因、中国
第5章 新しいエネルギー戦略を求めて

著者等紹介

石井彰[イシイアキラ]
エネルギー・エコノミスト。日本経済新聞社記者を経て1976年よりエネルギー関連団体でエネルギー事業に従事。81年ハーバード大学国際問題研究所客員、89年より3年間の欧州滞在を含めて国際石油・天然ガス動向分析にもっぱら従事。74年上智大学卒業。石油技術協会資源経済委員会、石油学会、世界ガス会議日本組織委員会などの委員を歴任

藤和彦[フジカズヒコ]
1960年名古屋市生まれ。84年、通商産業省(現・経済産業省)に入り、大臣官房、産業政策局、資源エネルギー庁、中小企業庁等を経て、現在、経済産業省関東経済産業局産業企画部長
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

中年サラリーマン

19
2003年版。石油は戦略物資で米大企業がコントロールしているんじゃない!もはや市場で取引される金融商品だと筆者は説く。それは持ち運び便利で、米企業がコントロールした時代が終焉し、技術の進歩によって世界各地で相当量を生産できることによるリスク分散が進んだため。しかし、金融商品なので政治的不安定による価格の変動幅が大きくなる。特にガソリンに税金がほとんどかからない米国は国際価格の影響をもろに受ける。よってアメリカは世界のあらゆる油田に口を出し安定供給に努める羽目に!最近の中国の成長が需給バランスをどう崩すか!2014/04/20

takao

2
ふむ2023/12/20

Arowana

2
(メモ1)石油供給源&石油調達手段&E資源の多様化・自由競争化と備蓄及び緊急時の混乱防止策、そして化石燃料の価値認識を「戦略物資」から経済合理性に適った「国際金融商品」に改めた上でwin winゲームのフェアトレードを促す市場原理推進へのコンソーシアムな政治的バックアップ(地域情勢の安定化又は必要に応じた公的資金注入といった民間の投資リスク軽減策)を推進することこそが最適解/EU米加豪などを除き石油産出地域の情勢は常に不安定/露(カスピ海・東シベリア・サハリン)、西アフリカ等の石油・天然ガス埋蔵量の上昇に2018/03/17

日の光と暁の藍

1
この本を読んでもらいたい人は、以下のような人だ。①石油は流通性の低い資源だと思っている人。②石油メジャーが現在も中東産油国で利権を持っている、その利権確保のために、アメリカはイラク戦争を始めた、と思っている人。上に挙げた条件に当てはまるような人は、この本から「国際石油市場」について是非学んでみて欲しい。以上のようなイメージがいかに間違いであるかをこの本は教えてくれる。「過去の石油危機における日本の石油業界/商社元凶説」(P170)についても触れられているが、私は、この本で初めてこのような説の存在を知った。2014/01/19

coolflat

1
国際石油市場の本質を知る上で最適な本。筆者の主張は、・石油は国際市場で効率的に配分される非常に流動性・流通性の高い典型的な国際商品で、この流れを政治的にコントロールは不可能。輸入先の資源の確保を政治的に無理に手立てしても意味がなく、返って害がある。・各産油国の石油生産能力や埋蔵量は、中長期的に見て投資関連の政策及び技術革新の進展によってかなりの程度変わりうるもので、石油の潜在資源量は世界規模で見れば比較的に豊富に存在する。従って、産油国の投資環境設備や輸送パイプラインへの支援を行うことが政治の役割である。2013/09/27

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/43998
  • ご注意事項