内容説明
自分のものなのに、人はからだのことを知らない。からだの中を見るなんて、とんでもないことだと思っている。そのくせ「人体はよくできていますね」などと言う。よくできているなら、なぜ喉にモチを詰まらせて死んだりするのか。生きるために必要な食べるという行為によって、これまた不可欠の呼吸を妨げて死ぬ。そんなバカなことがあるものか…。口からはじまって肛門まで、知っているようで知らない人体内部のディテールを多彩な図版とともに綴る医学エッセイ。
目次
口と肛門
唇
唇とその周辺
頬
歯
口の天井と床
舌
舌とことば
喉
呑み込む
食道
胃
胃と十二指腸
小腸
小腸から大腸へ
肝臓
肝臓と胆嚢
膵臓
大腸
直腸
著者等紹介
養老孟司[ヨウロウタケシ]
1937年鎌倉市生まれ。62年東京大学医学部卒業。東京大学医学部教授を95年退官。現在北里大学教授、東京大学名誉教授。専門は解剖学、科学哲学
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感想・レビュー
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佐島楓
23
養老先生の口から肛門までの解剖学授業。唇から口腔内のことを説明するだけでも多くのページが割かれており、いかに複雑な構造になっているかがわかる。こうやって自分のからだの中を覗き込んでみると、自分もただの動物に過ぎないということが実感できる。たまには、こういった本を読んでみるのもいいと思う。2013/04/16
マックス
6
「からだを読む」というタイトルなのに、消化管のみで終わってしまったのが残念…、、あとがきで「もう一生あれば人体全体をやってみたい」と言ってますが、いやいや今生きているうちに書いて下さいよ!ってツッコミたくなります。。個人的には、鼻と上唇の間の溝である「人中」の話、人間の喉頭が下方にズレている理由、などが面白かったです。。読むのに集中力が必要で結構大変でしたが、勉強になりました。。2010/09/29
ユウユウ
5
“からだを語る”2023/05/19
シュウ
5
時折のなげやりさかと思いきや、ヘェ〜と思うところもあり、読み終わった頃には、自分の体を大事にしなければという気にさせられました。前半と後半でトーンが違う気がしましたが、雑誌の連載なら納得です。後半の消化器部分は、リズムもあって読みやすかったです。しかし、やはり知ってしまうと、無茶はできませんね。。2012/10/09
はすのこ
3
著者による体の構造の話。普通。2016/01/13