内容説明
「学力かゆとりか」「公立か私立か」「受験か生きる力か」、教育現場の混乱が続いている。学校五日制や総合的学習の時間の導入など、教育改革論議のなかではとかく制度論が先行しがちだが、肝心の授業自体の中身については、いまだ不透明なままだ。『人生の教科書』シリーズで、子供たちが「よのなか」を学ぶ画期的な手法を編み出した著者が、ある親子の食卓での会話を例にして、日常の身近な話題から入り、物事を論理的に考えるクセをつけるための具体的な方法を提示しながら、「学力」や「生きる力」の本質に迫る。
目次
第1章 お父さんの身近にいくらでもある「よのなか」科の題材―子供と一緒に考える方法序説
第2章 子供が学校で習ってきたことで父も勉強してしまう―子供と一緒に「社会」を考える
第3章 モノの値段って、どうやってきまる?―子供と一緒に「経済」を考える
第4章 商売の“ショ”の字くらいは教えておきたい―子供と一緒に「マーケティング」を考える
第5章 お父さんの通ってる“カイシャ”ってどんなとこだろう?―子供と一緒に「経営」を考える
第6章 「物事の本質を観る」チカラをつけるための「よのなか」科―子供と一緒に「先を読む力」を鍛える
終章 問いかけるチカラの復興のために―二人だけの職員会議
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐっち
12
蔵書再読。ふとした親子の会話から、世の中の仕組みを一緒に考える、ミムラー家の食卓。扱ってる世の中は書かれたころから少し変わりつつありますが、今読んでも親子の会話が面白いです。うちの子が小さいころに読んで、「小学生ぐらいになったら、こういう素敵な会話ができるといいなあ」と夢見てましたが、いざ子が小3になって読んでみると、こんな高度な会話は夢のまた夢。ふと略歴を見ると、ミムラーさん東大じゃん!親子ともにかしこいんだろうなー(…とヒクツに…)。「なるほど」「すごい!」「いいポイントだね!」の声かけは見習いたい。2013/03/09
takka@ゲーム×読書×映画×音楽
7
藤原和博さんは、初の民間校長として有名だが、他に有名なのは、「よのなか科」を提唱したことではないだろうか。科目名のとおり、世の中の物事に触れ、思いついた疑問について子供と考えていく授業である。 それを家族で実践している会社員、三室一也さんの事例を元に「よのなか科」とは何かをわかりやすくまとめられている。 2019/02/06
Yuichi Yamasaki
6
パソコンのqwert配列。ビールの値段。お父さんの給料の仕組み。試しに子供と話して見たらちんぷんかんぷんだった。2015/12/09
★★★★★
2
親子の対話を通して、子供に(そしておそらく読者の大人にも)物事の本質を捉える力を養わせようという趣旨の本。上っ面の知識だけではなく、なぜそうなのかを問うていくことはもちろん非常に大切なこと。ただ個人的な価値観から言うと、自分の子供には、どうすればお店が儲かるかということよりも、なぜ戦争は無くならないのかとか、宇宙はどうやって誕生したのかといったことを考えさせてあげたいと思うのよね。ってまあ独身なんですが。2009/09/11
k_jizo
1
★★三室家の食卓での会話からの授業。刊行された頃読むべきだった。2012/09/22