内容説明
アメリカは利潤追求のための自己責任に基づく競争システムを「つくる」国である。彼らは、法律や社会制度から経済の仕組みや国際社会の秩序にいたるまで「つくって」きた。テロの前に取り沙汰されていたのは、IT不況の深刻化と国際社会の中での孤立だったが、いま「新しい戦争」と同時に進行しているのは、新たな国際秩序の再編である。同時多発テロ以降のアメリカを中心にした世界の対応を注意深くたどり、重大な岐路に立たされたその真実の姿を浮き彫りにする。
目次
第1章 なぜWTCビルがねらわれたか
第2章 そのとき大統領は何をしたか
第3章 世界恐慌は避けられるか
第4章 なぜ首脳はワシントンへ詣でたか
第5章 なぜロシアはアメリカにすりよるか
第6章 「日の丸を示せ」と誰が言ったか
第7章 アフガニスタンはどうなるか
第8章 アメリカはどの道を選ぶか
著者等紹介
赤木昭夫[アカギアキオ]
1932年京都市生まれ。東京大学文学部英文学科卒。NHKで科学番組を制作し、取材で南極点に立つ。コロンビア大学ジャーナリズム大学院フェロー。NHK解説委員として核や宇宙開発、ハイテクなど、科学技術分野を担当した。慶応義塾大学環境情報学部教授を経て、現在、放送大学教授。専攻は科学史、技術論、メディア論
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感想・レビュー
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skunk_c
59
9.11直後の出版。著者は3人の元NHKベテランジャーナリスト。事件の概要から直後のアメリカや各国の対応、さらに国際政治・経済状況まで幅広く解説している。ただテレビ系ジャーナリスト(特に年配者)にありがちなやや上から目線の「したり顔」な記述もあり、また長期的な見通しについては、その後の20年を知っている者からすると、結構見込み違いもある(例えばロシアがNATOに加入する可能性を指摘していて、確かに当時はそういった動きもあったが、今では考えられない)。あの時点でのひとつの見方が示されたものでそれ以上はない。2023/04/03
Hidekazu Asai
1
サウジアラビアは失業率30%であることを本書で知る。そんな国だとアルカイダが生まれてもおかしくない。アルカイダはサウジアラビア王室に不満を抱き、イスラムの聖地・メッカ近くに米軍基地があることに怒りを懐き、9.11同時多発テロが起きたことがわかる。とはいえ、テロを認めているのではない、著者は、背景から、分析をしている。 サウジアラビア王室の腐敗が続き、アメリカ独り勝ちが進めば、アルカイダの後続は増加するだろう。2020/11/28
ヨンデル
0
昔読んだ本です、整理のため登録しています。2024/06/20
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- 和書
- 定理証明手習い