ちくま新書<br> 戦略思考ができない日本人

ちくま新書
戦略思考ができない日本人

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  • サイズ 新書判/ページ数 206p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480059024
  • NDC分類 361.42
  • Cコード C0211

内容説明

政府の景気対策はいきあたりばったり。教育改革は細部の手直しばかりで抜本対策は出てこない。官僚も企業のトップも「前例がない」といっては何もしない。これまで日本人はなぜ主体的な戦略思考ができなかったのか?本書では、西欧が堅固な守りで構築された「要塞文明」であるのに対して、日本は「はかなさ」の情緒を共感しあう「無常感文明」であると捉え、日本文明のもつ自我・法則性・宗教観などの分析を通して、日本人がグローバル・スタンダード時代を生き抜くために必要な自己変革へのヒントを提示する。

目次

第1章 「無常感文明」日本と「要塞文明」西欧―文明論(日本文明は無常感文明である;秀吉の「夢のまた夢」こそが無常感の理念型 ほか)
第2章 日本人と西欧人の主体性の違い―自我論(「自我の要塞化」とは「主体性の強度」を高めることである;日本では「組織我」もまた「主体性の強度」が低い ほか)
第3章 「無常感文明」と「要塞文明」を貫く法則―法則論(文明には基本法則がある;「作為の法則」と「自然の法則」 ほか)
第4章 八百万の神々と無常感文明―宗教論(無常感はアニミズムが原点;宗教が人間を「遺伝子の呪縛」から解き放った ほか)
第5章 日本文明を変革する道―変革論(日本文明は「情緒」という「透明なアイデンティティ」の文明;「透明なアイデンティティ」が「アイデンティティ不確実感」を生んだ ほか)

著者等紹介

中山治[ナカヤマオサム]
1947年神奈川県生まれ。臨床社会心理学出身の日本人論研究者。慶応義塾大学大学院社会学研究科博士課程修了。東大病院、川崎市心身障害センター、静岡県立女子短大、国際基督教大学教育研究所を経て21世紀日本研究所を設立。日本人の国民性、日本文化論に基づいた日本の社会変革についての研究を重ねている
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

17
「西欧人は行動原理を共有することで連帯し、日本人は情緒を共有することで連帯する」という著者の説明は理解できるし、現在の政治の体たらくを見ていれば一言いってやりたくなる気持ちもわかる。わかるが、内容が極論に思える。少し神経に障る表現もあり、ちょっと問題なのでは。2013/03/27

さきん

8
日本人の戦略思想の乏しさを宗教、歴史、文化から説いた本。戦略思考が得意西欧社会とことごとく逆さまな日本人の思想や歴史観、文化が明らかになる。日本人の特殊性をおのずから理解してないと、戦略思考が身につかないだろう。2015/07/08

B.J.

4
●官僚は、「過去官僚」。 ●エルウィン・ロンメル:49歳で元帥。 →敵のチャーチル首相からも賞賛された立派な軍事指導者の日常。・・・本文より2020/03/05

Naota_t

2
★3.3 欧米と比較して、日本人の古来からもつ戦略思考のなさを痛烈に批判している内容です。戦略思考ができない、とは即ち、無常感であり、慣性の法則であり、作用反作用の法則などである。日本人の主張が欧米に比べて控えめなのは人口に膾炙しているだろう。言わなくてもわかってもらえる、という緩いコミュニケーションが是とされている。強く主張するのは、全体の和を乱す。柔道の篠原が判定に異を唱えなかったのは象徴的だ。このような戦略思考のなさはアジアでも日本だけ。国際的な取引が活発になる中、本書は強く警鐘を鳴らしている。2017/11/08

mattasuasu

0
何故、巷でよくみる「戦略云々」のビジネス書が具体的に組織内で活かせないのか、原因の一部が解った気がする。日本企業に於ける「根回し論」や、協調性等、今まで、不思議に思っていたことの自己的解決の一部になりそう。ビジネス書があまり役に立たないと思っている方は、一読して損はないのでは。2011/09/12

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