ちくま新書<br> ナポリ―バロック都市の興亡

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ちくま新書
ナポリ―バロック都市の興亡

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  • サイズ 新書判/ページ数 206p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480058799
  • NDC分類 237.05
  • Cコード C0222

内容説明

個性あるイタリアの都市のなかでも、最もエネルギーに満ちあふれた街・ナポリ。近年、南イタリアの素朴な中にも健康で豊かな生活が現代日本人の心をとらえているが、その中心都市ナポリには長い歴史に裏打ちされた多様な文化が混在する。本書ではその中でも、強大な帝国スペインの影響下にあった時代を経て「イタリアのパリ」と謳われたベル・エポックの頃までの栄華を極めた時代に焦点をあて、芸能・歌謡・祝祭空間として発展を遂げたバロック都市の魅力をあますところなく紹介する。

目次

第1章 「迷宮都市」―プルチネッラの生きる街
第2章 「ピカレスク都市」―悪魔の住む天国
第3章 「芸能都市」―ベル・エポックの面影
第4章 「祝祭都市」―生と死の交錯
第5章 「オペラ都市」―サブ・カルチャーとしてのバロック精神
第6章 「歌謡都市」―羽ばたいた民衆エネルギー

著者等紹介

田之倉稔[タノクラミノル]
1938年東京生まれ。東京外国語大学イタリア科卒業。演劇評論家。静岡県立大学教授。著書に『イタリアのアバンギャルド』(白水社)、『ピエロの誕生』(朝日新聞社)、『イタリアの四季』(東京書籍)、『美食の迷宮』『麗しの島、コルシカ紀行』(ともに集英社)など。最近は、古今東西にわたる芸能の交流や食文化のほか、シチリア・サルデーニャなど島を中心とした地中海文化に深い関心をもつ
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感想・レビュー

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うえ

4
著者は演劇評論家であり、劇に対する言及も多い。聖地ピエディグロッタ広場についても詳述。「1656年にナポリにペストが発生する。疫病は猖獗をきわめ、多数の死者を出した。この年の始めに発生したペストはとどまることを知らないかのごとく、市民を襲い、夏の暑いさかりまで続いた。もちろん聖職者は祈祷の頻度をあげるよう市民に呼びかけ、市民の方も教会で聖母やキリストに祈りを捧げた。しかし奇妙なことにピエディグロッタのマリアに市民が大挙して祈祷にでかけたという記述はない。この祭りはあくまでも民衆が歓喜を表現する機会だった」2024/04/09

rbyawa

3
面白かった、面白かった。バロックというのは歪んだ真珠という意味で、この間読んだスペインの(司馬遼太郎氏の)本の中で悪し様に言われていたけれど、荘厳なもののはずを捻じ曲げて過剰にしてしまったのならば、庶民にも手に届く感性になるのではないか。よく食い、下劣で子沢山と言う記号しか持たないピエロが、この街の象徴だというナポリの街は。なんだか庶民文化の時ばかり輝いていたような印象だ、少し高尚になるともう詰まらないらしい。面白かった。2009/10/28

氷菓子

2
タイトルから、ナポリの建築関係の本かと思ったら全く違い、近代の芸能や音楽についての話が中心だった。オペラや音楽好きの人には面白いと思うけれど、音楽の知識のない自分には、内容が頭に入ってこなかった。2025/05/03

belier

2
バロック都市ナポリということだが、建築の話でなく芸能や音楽を中心に文化と歴史を語っている。意外だったのは、ナポリはナポレオンの体制下にあったり、ブルボン王朝の支配下だったりしてフランス的な色彩に彩られているという説。ブルボンといってもスペインの王朝だし、ナポレオンの体制は短いしで理由として疑問だが、具体的な事例はなるほどフランスの影響は濃いようだった。そういう優雅な都市性を強調した時代もあったという。とはいえ、やはり道化のプルチネッラや小悪党のラッザローネの話のほうが、ナポリ独特の風味が感じられ面白い。2023/05/07

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