内容説明
「シュタイナー教育」や「人智学」で日本でも広くその名が知られるルドルフ・シュタイナー。だが、アカデミズムからは「胡散臭いオカルト」との烙印を押される一方、受容する側にも、その思想への盲目的な追従、偶像化が見られるなど、ここ日本でのシュタイナー理解はまだ充分とはいえない。彼が立脚した第一次大戦下ドイツの時代状況、また、ドイツ精神史における思想系譜、歴史経維に広範な省察を加え、その生を内側から活写することで、「みずから考え、みずから生きること」への意志を貫いた「理念の闘士」、シュタイナーの思想的核心を浮き彫りにする。
目次
第1章 教育思想の源泉―他者への目覚め
第2章 認識の探究者―カント、フィヒテ、ゲーテをめぐって
第3章 それは「オカルト」なのか?―西洋と東洋の霊性史
第4章 神智学運動へ―ブラヴァツキーの闘い
第5章 ドイツ精神文化の霊学―純粋思考と帰依の感情
第6章 戦争と廃墟の中で―「国民」になる以外、生きる道はないのか!
第7章 魂の共同体―ナチスの攻撃と人間の悲しみ
著者等紹介
小杉英了[コスギエイリョウ]
1956年北海道生まれの関西育ち。関西学院大学仏文科卒。ロック・ミュージックとグノーシス派の洗礼から霊学を志し、ルドルフ・シュナイターの認識論を通って三島由紀夫の文化論に到る。著書『三島由紀夫論 命の形』(三一書房)、訳書にゲオルグ・フォイアスティンの『聖なる狂気 グルの現象学』(春秋社)、レイチェル・ストーム著『ニューエイジの歴史と現在』(角川選書 共訳)などがある。オイリュトミー舞台公演の脚本として『謡曲・鬼阿闍梨』(京都・金剛能楽堂1991)、『外典・緑の蛇と百合姫の物語』(新宿・朝日生命ホール1992)
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