ちくま新書<br> シュタイナー入門

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ちくま新書
シュタイナー入門

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  • サイズ 新書判/ページ数 224p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480058720
  • NDC分類 169.34
  • Cコード C0210

内容説明

「シュタイナー教育」や「人智学」で日本でも広くその名が知られるルドルフ・シュタイナー。だが、アカデミズムからは「胡散臭いオカルト」との烙印を押される一方、受容する側にも、その思想への盲目的な追従、偶像化が見られるなど、ここ日本でのシュタイナー理解はまだ充分とはいえない。彼が立脚した第一次大戦下ドイツの時代状況、また、ドイツ精神史における思想系譜、歴史経維に広範な省察を加え、その生を内側から活写することで、「みずから考え、みずから生きること」への意志を貫いた「理念の闘士」、シュタイナーの思想的核心を浮き彫りにする。

目次

第1章 教育思想の源泉―他者への目覚め
第2章 認識の探究者―カント、フィヒテ、ゲーテをめぐって
第3章 それは「オカルト」なのか?―西洋と東洋の霊性史
第4章 神智学運動へ―ブラヴァツキーの闘い
第5章 ドイツ精神文化の霊学―純粋思考と帰依の感情
第6章 戦争と廃墟の中で―「国民」になる以外、生きる道はないのか!
第7章 魂の共同体―ナチスの攻撃と人間の悲しみ

著者等紹介

小杉英了[コスギエイリョウ]
1956年北海道生まれの関西育ち。関西学院大学仏文科卒。ロック・ミュージックとグノーシス派の洗礼から霊学を志し、ルドルフ・シュナイターの認識論を通って三島由紀夫の文化論に到る。著書『三島由紀夫論 命の形』(三一書房)、訳書にゲオルグ・フォイアスティンの『聖なる狂気 グルの現象学』(春秋社)、レイチェル・ストーム著『ニューエイジの歴史と現在』(角川選書 共訳)などがある。オイリュトミー舞台公演の脚本として『謡曲・鬼阿闍梨』(京都・金剛能楽堂1991)、『外典・緑の蛇と百合姫の物語』(新宿・朝日生命ホール1992)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

13
シュタイナー教育の入門書かな、と思って読んだら、シュタイナー自身の思想背景の入門書。著者が面白そうな人ではあるが、当初の目的とは違うところに着地してしまったなあ。それはそれで楽しかったが。2012/04/27

iwri

6
入門書としては著者の主張とシュタイナーの思想がゴチャマゼになっており不適格。シュタイナーの後半生~晩年を時代背景と共に追っていく点はよかったが、ところどころに著者自身の反西洋主義が透けて見える。結果的に、『いか超』の畏敬の立場をあれだけ称揚しておきながら、著者自身が批判する相手と同じ振る舞いをしている点に気づいているのだろうか。また、キリスト論を中核としながら、極めて表層的な部分にしか触れていない点は、著者がキリスト論を理解していないのではないかと疑わざるをえない。2010/12/31

antoinette

5
シュタイナー入門としては2冊目以降に読んだのが正解だった。西洋思想史の「夜」の面が簡潔に説明されているのがよい。ヨーロッパでは正統教会からの苛烈な迫害で、異端・異教的な思想は隠れたもの=オカルトとならざるを得なかった、と。あと神智学協会とブラヴァツキー夫人のことがずいぶん持ち上げられていて途惑った。アニー・ベサントやアンナ・キングスフォードがただのオカルティストとは片付けられない人々(特にフェミニスティックな意味で)らしいとは思ってたが……著者の言うことが妥当なら、認識を改めなきゃいけないんだけど(続く2015/09/20

Yuji Hamano

4
シュタイナーの思想の生まれた社会的背景をしっかりと知ると事が出来る。シュタイナーを知る上で「オカルト」というものがどのような背景で、今の様な位置づけになってきているのかという事を歴史と社会情勢、特に「オカルト」であると決めた側のキリスト教社会の当時の実情をふまえ現在の「国家」という思想に至たるまでの解説がされており、ステレオタイプに聞きかじっている「オカルト」との認識の差の大きさに気づかされた。 2015/10/31

giant_nobita

4
シュタイナー思想を理解するための前提となる知識(キリスト教・オカルト・近代ドイツ史など)について紙幅を多く割いていて親切な反面、シュタイナー自身の思想やその実践についての記述は少なくなっている。「入門の入門」といった感じ。2013/12/30

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