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ちくま新書
百姓の江戸時代

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  • サイズ 新書判/ページ数 219p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480058706
  • NDC分類 210.5
  • Cコード C0221

内容説明

江戸時代は士農工商の時代だ、という常識がある。きびしい身分制度のもと、農民は田畑の所有を許されず、重い年貢に苦しめられ、自給自足を強いられたという説明だ。だが、村々に残る資料をみて歩くと、まったく異なる世界がみえてくる。百姓たちは銭を用いて布を買い、それを身にまとって祭りを盛り立てた。また、広い敷地に庭を造り、茶・書・華をたしなみ、俳句をよんで旅をした。その一方で、乏しい資源を大切にし、浪費を抑え、そして元気よく働いた。本書では、これまでの権力の側からの史観を覆し、当時の庶民である百姓の視点から江戸時代の歴史をよみなおす。

目次

序章 「日本近世史」のあやうさ
第1章 百姓を独立させた検地
第2章 身分社会の終焉
第3章 法と制度のからくり
第4章 新しい社会の秩序
第5章 百姓の元気
第6章 民意が公論となるとき
第7章 村に学んだ幕閣

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

そうたそ

16
★★★☆☆ 江戸時代、百姓たちは年貢を納められなくなった反動として一揆を起こしたという教科書的な知識を見直させてくれるような一冊。確かに、百姓たちが本書で述べられるように理性的であってもおかしくはないし、むしろこちらの説の方が頷けるかも。色々と新しい発見をさせてくれた一冊。2020/02/06

tsubomi

7
2016.06.14-07.16:武士社会の目線、支配階層から見た目線、そして江戸/京目線で書かれた教科書で習ったことと、恐らくは同じ事象を百姓目線、被支配者目線、そして地方目線で見るとこんなにも違って感じるのか!と驚きの面白さ。地方に埋もれている史料を読み解くことの大切さを実感しました。佐渡の政治・経済が中心ですが、他の地方の歴史も調べたらきっと面白いでしょうね。百姓の概念は私の中ではここ十年くらいの間にかなり変わってきていたのですが、この本はそれをサポートして余りある内容でした。2016/07/16

さこちゃん

7
図書館本。著者の郷里、新潟佐渡の郷土資料を元に、従来の歴史認識を覆す江戸時代の百姓の生活を解説。今までの弱い百姓の認識が変わった。学校で教えている歴史は、一方的で薄っぺらい。2016/04/03

ごろ寝

5
百姓は武士に支配されいじめられる存在という見方は間違いであることが述べられている。年貢の決め方に意見を言い、商売をし経済を根底から動かし、ある意味時代の主役だったのだなと思った。確かに歴史の授業って王様とか将軍がなにしたかにしたという話になりがちだよねぇ。2016/08/13

Hiroki Nishizumi

5
とても興味深く読め、良かった。教科書的な史観では事実は分からないとする著者の見解に惹かれる。特に幕府の法は社会現象に対する後追い対策であること、百姓は検地により土地の所有が出来たこと、一揆は暴動ではなく合目的的な手段であったことなど目からウロコに近い感覚を得た。2015/11/12

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