内容説明
1909年10月26日伊藤博文はハルビン駅頭で、韓国の独立運動家安重根の銃弾に倒れる。だが、もし安重根以外にも暗殺実行犯がいたとすると、それは誰だったのか。また伊藤はなぜ暗殺されなければならなかったのか。日露戦後の複雑怪奇な国際関係を背景に浮かび上がる伊藤暗殺計画。国際通と自他ともに認めた知謀伊藤博文の眼に映った明治国家日本と韓国のゆくえは?日韓併合前夜の近代史の謎に迫る。
目次
序章 ハルビン駅頭の銃弾(満州訪問への旅立ち;ハルビン駅頭の銃弾;暗殺実行犯に対する疑問 ほか)
第1章 伊藤博文と韓国(明治六年の政変まで;征韓論;台湾出兵 ほか)
第2章 日清開戦(東学党の乱;伊藤の平和論と陸奥の開戦論;派兵強行 ほか)
第3章 朝鮮王妃殺害事件(日本外交の焦点;三浦任命の背景;「臨機応変」の意味 ほか)
第4章 日韓併合への道(清国漫遊と反軍拡;厦門事件;韓国中立化構想 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おらひらお
3
2000年初版。韓国では豊臣秀吉とともに大悪人に位置付けられている伊藤博文の実像に迫った本です。大陸に積極的に侵出しようとする軍部を抑える様子がうまく描かれています。韓国におけるイメージが少しでも変わればいいなと思いますがいかに?2012/12/03
スズツキ
2
面白い……面白いが、そこに至るまでの経緯に紙面が割かれすぎて、メインの記述が少なくなってるのは残念。2015/06/19
Humbaba
2
韓国で暗殺された伊藤博文について,どのような人物であったのかをまとめたもの.伊藤博文は日韓併合反対派であったが,それでも殺されてしまい,後任者によってむしろ生活は苦しくなった.2010/02/10
unpyou
0
伊藤博文の命を奪った弾丸は安重根の放った拳銃弾ではなく、角度の異なる上方向から騎兵銃により放たれたものではないかという異説(これは同行者の当時の証言などもあり著者だけの説ではないようだ)に着目、韓国の保護国化から併合に進んでいた当時の時代状況の中、実際は韓国併合に消極的であった伊藤博文の暗殺を望んだのは一体誰なのかを検討する。「暗殺犯は別にいた、これぞ真実」と言い立てるための書ではなく、この謎解きを通して当時の日朝を巡る政治史をより深く読むための書といえる。山県有朋の「腹芸」などなど、非常に面白く読めた。2017/04/01
たつや
0
韓国における伊藤博文像の誤った認識がとても残念だ。2010/04/18
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