内容説明
現在、ムスリム人口は一〇億人を超すといわれている。地理上では、中東地域に居住するのはその三割程度で、世界大的な広がりをみせている。しかも、そうした量的なレヴェルにとどまらず、今日イスラームほど政治的社会的な衝撃力をもっている運動はない。日本でも、明治以来さまざまな角度から論じられてきたが、それはしばしば西欧近代の影絵であり、世界認識という鏡に写した自画像でしかなかった。イスラームを見る日本人の眼と、見られるイスラーム社会の双方を同時に射程に収めながら、新たなイスラーム像を提起する。
目次
第1章 イスラーム世界とは「どこ」か
第2章 ふたたび「拡大するイスラーム世界」
第3章 想像されたイスラーム
第4章 イスラミズム現象と「記憶」の再構築
第5章 イスラームと近代日本
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
本命@ふまにたす
1
タイトルからすると、日本におけるイスラームの受容を論じていそうだが、内容は何とかいうかより思想よりで、射程の大きいものになっている。文体も相まって、評価が割れそうな一冊。2021/07/13
抹茶ケーキ
0
オリエンタリズムの話が多い。とくにその西洋発のオリエンタリズムが日本の知識層ではどういう風に受容されてきたかとその前史。イスラームが無視されてきたことにはそれを抑圧したい日本人の心性があったみたいな話もあったけど、それはどうなんだろうと思った。単純に接触する機会が少なかったからではないんだろうか。2016/04/15
ビタミンちゃん
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名著2013/08/25




