内容説明
アジア大陸の縁辺に位置し、大きな暖流と寒流に取り巻かれた日本列島は、今日まで豊かな水産資源の恵みを私たちに与えつづけてきた。日本人はどのように魚と共存してきたのか。アユ漁とアワビ採取を中心に水産利用の祖型を探るとともに、ハマチとクルマエビを例にとり、戦後の産業化と国際化の歩みをたどる。稲作農耕システムを社会基盤に置きながらも複合的な文化形態を成熟させてきた日本民族の漁業文化に光をあてた異色の「サカナと日本人」論。
目次
第1章 ハマチ―海産魚養殖の挑戦者が生き延びる戦略
第2章 クルマエビ―国際化と地域主義の共存を迫る
第3章 コイ―日本人の郷愁の魚はよみがえるか
第4章 ニジマス―気位の高い地球上の大歩行者
第5章 アワビ―縄文文化と弥生文化の違いを探る
第6章 アユ―清流の女王か、おちぶれる手弱女か
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