内容説明
素材価値のない紙幣が通貨として安定して流通するためには、強大な権力、絶大な信用、それを支える確固とした法制がなければならず、戦乱のない平和な社会であることが必要とされてきた。そして紙幣の歴史は宗教、言語を含む民族の文化、国の経済、法律などを反映する人類の生活史の縮図でもある。このような視点から現代世界の紙幣を語る。
目次
序章 お札の強さ
第2章 お札にみる言語
第3章 お札にみる旧ソ連諸国
第4章 お札にみる経済と法律
終章 幻のお札、薄命のお札
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nchiba
1
紙幣というか貨幣というのは「国」が独立したものであるためにどうしても必要なものらしい。国の大切な機能であり、象徴でもある。なかでも紙幣は紙であるだけにそこに信用を持たせるためのあらゆる工夫が凝らされている。ソ連が崩壊して独立した国々がそれぞれ独自の通貨を作っていったことや、ハイパーインフレで0が12ケタもあるような紙幣のこと、各国の偽札対策など紙幣に関する話題を集めた面白い本だった。2011/11/06
おらひらお
0
1996年初版。外交官である著者が、趣味である紙幣収集から高じた紙幣研究をまとめたものですが、新書だけあってかなりやさしい内容です。ただ、国の紹介にページが割かれていることと藩札の話が全くないことが残念です。2011/12/09
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