内容説明
手塚治虫、石ノ森章太郎、藤子不二雄A・F、彼らが若かったころ、マンガも青春だった。
目次
第1章 漫画少年と野球
第2章 マンガ家への夢
第3章 トキワ荘の日々
第4章 マンガブームの時代
第5章 貸本劇画という「異人」たち
第6章 少年週刊誌全盛のなかで
終章 最後に『漫画少年史』
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
conegi
7
地元ではゆかりのある著名人に数えられている、漫画家寺田ヒロオ。今は高い知名度とは言いがたいが、かのトキワ荘と支えた一人。時代に取り残されたのか、時代を見限ったのか、60年代を最後に絶筆。本書では「テラさん」の遍歴と、苦悩が見えてくる。とは言いつつも、青春エピソードも多く、本書が暗いトーンと言うわけではない。Wikipediaにある、晩年に自宅に仲間を集めたエピソードが好きなのだが、その時の写真が見れたのは嬉しかった。しかし、その写真のメンバーも、存命なのは鈴木伸一(小池さんのモデル)だけとなってしまった。2024/08/25
takao
2
ふむ2023/12/27
かめあい
1
テラさんを深く知る事ができた。やっぱり私はテラさんが大好きだと思った。純粋で優しい生き方に涙が出た。石ノ森章太郎の文が凄く良かった。 2017/10/16
seichan
1
雪国新潟の出身らしい寺田ヒロオの人柄。無口で劣等感が強くて、でも気遣いに満ちていて心が暖かくやさしい。トキワ荘時代に一番親しかった相手として挙げたのが、無頼少年だった棚下照生というのになんだかしんみりさせられた。雑誌連載のまんが家と貸本まんが家との対比にページを割かれていて興味深かった。東西の文化の違いや少年が家計を背負う貧困が歴然と見えていた時代。寺田ヒロオの奥様が中村八大の妹と知ってびっくり。寺田ヒロオが晩年(といっても享年61歳だけど)経済的に苦しかった様子は見えないのは一抹の救いだ。2015/12/16
ハンギ
0
トキワ荘の時代 梶井純 著者は石子順造らと共に「漫画主義」という雑誌?を創刊している。この本では他の人たちの伝記なども織り交ぜながら、埋れてしまったトキワ荘の住人、寺田ヒロオについて書いている。寺田は昔、「漫画少年」の常連の投稿者で、それから同誌を始め活躍したマンガ家だが、1970年代には筆を折ってしまい、現代ではほとんど忘れられているようだ。ただ謹厳実直で人柄が良く真面目だった事は、当時の多くの住人達に記憶されている様である。2011/03/02