内容説明
かつて道行く人々の足を止め、ふんぞり返った殿様の愚劣さを笑いとばした「語り芸」は、一億総おしゃべり時代の現代にどう活力を維持していくのか?古今の名人芸の語り口を自在に引用し、落語の持つ魅力と魔力を語る落語ファン必読の1冊。
目次
語り芸の魅力(1億総おしゃべり時代;あやかしの力―名人芸伝説;「かたり」と「かたられ」)
落語の生理(落語は今どうなっているか;「はなす」「よむ」「しゃべる」「かたる」;落語の構造;落ちのないはなし)
語り手と聞き手とネタ(「語り部」から「咄家」まで;落語の素)
語り方の変遷(テキストのない「古典」;咄本以前;咄本以後;近代化以後)
語りエネルギーの回復(伝えるものと創るもの;「かたられる」側の力)
幸福な被害例―私家版古典落語50選