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出版社内容情報
平安時代から近代まで、日本絵画の中の女性像に焦点をあて、隠された思想や意味を読み解く。
内容説明
芸術作品として鑑賞されてきた日本の絵画をもう一度見なおしてみよう。美しくあるいはエロチックに描かれたたくさんの女性像がある。これら女性像はどういう状況の下で描かれたのか。平安時代から近代まで、絵画に描かれた女性像をとりあげ、時代や社会が女性に何を求めていたのか、女と男の関係はどうなっていたのか、その隠されたメッセージを読み解く。新しい美術史入門。
目次
第1章 王朝絵画と女たち(ジェンダー批評と王朝絵画;「女絵」の世界―男女の交渉の場としての「女絵」 ほか)
第2章 男性文化の中の女性像(合戦絵の中の女性像;「平治物語絵巻・三条殿夜討巻」の絵と詞書 ほか)
第3章 女性像と女の鑑賞者(ジェンダーと絵の見方;「女絵」・「物語絵」と女の見方 ほか)
第4章 近代日本画の土地と女性(近代国家のイデオロギーと錦絵の中の皇后像;近代日本画を見る「眼」 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Metonymo
2
「現在もなお解消されていない力の不均衡を、ますます盛んに生産される視覚的イメージの中に読み解く作業が私たちに求められている」サイードやジェンダー理論によりながら、日本絵画に描かれてきた女性像、鑑賞者と政治性を分析。平安、鎌倉時代の絵の解釈や大正日本画の西洋的、都市の男性的まなざしなど様々なヒントが詰まった本。海外の日本研究者を多数引用しているのも興味深い2013/05/22
kinaba
0
著者の、人工知能学会誌の表紙の問題へ寄せていた小論が非常に興味深かったので本業の著作も読んでみようかと思って。各論それぞれもう少し踏み込んで複数の例で見ていって欲しかった気がしました。2014/10/24