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内容説明
生物が地球に誕生した時から長い時間をかけて、生物の体内には月のリズムが蓄積されてきた。いま私たちは、その月の力をどのように受けとめているのだろう。人間の出産や死亡は月の満ち欠けと関係あるか、大安や仏滅という日は何か意味があるのか、月をめぐる伝承やことわざは迷信か、月齢と地震のむすびつきは…。天体の運行が人間にあたえる不思議な影響について考える。
目次
月についての概説
月と民俗
“旧暦よさようなら”か?
巨大な月の出を見る
三日月と地球照
星月夜
雨と月齢
厄日と月齢
地震と月齢
月と人間の死
月と誕生
病気と月齢
月と生物
月からのシグナル
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ねええちゃんvol.2
2
★★★ おもしろかった。月の満ち欠けと人間の生死との関連については聞いたことがあったが、植物の生長や動物にも影響があるらしい。たしかに珊瑚の産卵は満月だし。人間の体内時計と、月による一日の長さが25時間弱と一致しているのも何らかの関係があるのかも。 月齢と雨、事故にも関連があるという説もあるそう。 一見、迷信のようだが、信憑性がある気がする。※月が南中してから満潮干潮までの時間は一定:東京では6時間弱 ※世界的に干満の差が大きいのはカナダ東岸のファンディ湾:15.6m、英西岸ブリストル湾13m2011/11/19
Ted
1
'95年8.25刊。○2020/02/02
Wataru Hoshii
1
月の満ち欠けのリズムと、天候・地震・生死・生体リズムなどの関係について考察した本。と書くと何だか怪しげだし、因果関係は一切証明されないのだが、「関係している可能性は捨てきれない」という一点で押し切るのが凄い。まあ、関係あるのかないのかよくわからなくても、月齢や旧暦を意識しながら生きることは人生を豊かにする。満月を見ながら、その夜に生まれてくるたくさんの命のことを考えたり、数日後に雨が降るかもしれないと思うことも。著者は3年前に亡くなった有名な気象研究者。自然に対する畏怖の感覚があった人なのだろうと思う。2012/11/20
朝吹龍一朗
0
潮の干満を引き起こす原因が、単純に月や太陽の引力ではなく、それらが地球の中心に及ぼす引力と、地球表面に及ぼす引力の差だ、というちょっと難しめの話から説き起こし、実は宇宙から降ってくるチリや宇宙線が雨の原因であることに話が及ぶと、「梅若の涙雨(旧暦3月15日)」やら、「虎が雨(旧暦5月28日)」にまつわる蘊蓄を傾ける。最後に、実は生物の基本的日周リズムである24.8時間は、太陽起因ではなくかつて海で生活していた時代に月に同調する形で作られたものである、と教えてくれる。文系にも、理系にもそれぞれ読みにくいとこ2013/03/26