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内容説明
目的地に着けない。自分がどこにいるのか分からない。「道に迷う」経験は、だれにでもある。どうして、こんなことが起こるのか。ひとくちに「方向感覚」というけれど、それは、人間の視覚や座標系、方位の認知など、きわめて複雑な脳とからだの働きにかかわっている。地図のプロである著者が、地図から風景をスケッチする独自の方法を手掛かりにして、この身近な難問に挑む。
目次
序章 迷路脱出への道のり
第1章 迷いの内と外
第2章 イメージの内と外
第3章 地図、その内と外
第4章 大脳における右と左
第5章 現実世界の表と裏
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
paluko
7
テーマはたいへん面白いと思うものの、図を多用しているわりに内容が全然頭に入ってこない。「内からの目」「外からの目」、それとはまた意味が違うらしい「内の目」「外の目」、「部分視」「恒常視」などなど、用語が錯綜しているのも一因ではないか。「下北沢で迷う」(45頁~)「M・A・Pの会、雨の日の例会」(67頁~)の詳細な道迷い体験の記述は他ではあまり見たことのないもので、興味深かった。「道路は直交しているもの」「道路は建物と平行」という先入観は広く共有されており、都市部での道迷いの原因の一つになっている。2023/11/02
kuukazoo
4
地図の認知と実際の地理の認知のずれにより、自分がどこにいるのか、どっちが目的地なのかわからなくなる=「道に迷う」ということが起こる。そのようなずれが生じる理由は人の認知システムの特性や偏り(思い込みとか辻褄合わせとか見落としとか)によるもの、ということは何となく掴めたが、わざとわかりにくく書いているのかと思うくらい文章がわかりにくすぎて迷子になってしまった。2020/01/03
トーテムポールさん
0
一見、啓発本みたいなタイトルになってるけど、別にそのままの意味で「方向音痴」の話。地図を見るのは上からだけど、現実の風景は水平。人間の認識は、全体視と部分視があって、それが相まって、内の目と外の目?とかがごっちゃになって、地図上の自分と現実の自分がリンク(定位)できなくなって迷う? 「内と外」とか、「表と裏」とか、「一点と周囲」とか、「現実とイメージ」とか、そういう単語がいっぱい出てきて、読んでて迷った。迷路からは抜け出せそうにない。2019/07/03