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内容説明
ウルトラマンと戦う怪獣たち。その縫いぐるみはどのように作られるのだろう。怪獣の声、出現のしかた、戦い方は?魅力的な怪獣を生みだして「ウルトラ」番組を支えたスタッフの職人魂。少年の夢を持ちつづける男たちの特撮現場裏話。
目次
二十数年まえの夏の夕方
監督の個性
特技監督と絵コンテ
特技監督の頭のきりかえ
見えない世界を音でつくる
「ウルトラセブン」の主題歌
怪獣だって泣くんだよ
縫いぐるみの中の恐怖
縫いぐるみに夢見た人たち
怪獣をつくる
縫いぐるみのできるまで
怪獣を撮る
特撮で見たい夢
怪獣はどこから現われるか
失敗に学ぶ
ヒーローでありつづけるために
「ウルトラセブン」の歌
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
52
約9年ぶりの再読。冒頭の章にある、円谷一さんの言葉が印象的。特撮は多くの人々の努力と創意で作られてきたが、分担した当事者の証言集としても貴重。着ぐるみを使うのは、コマ撮り撮影やアニメでは再現困難な、空気感を表現できる手法とのこと。着ぐるみに入る俳優さんの努力をムダにしないよう、カメラも毎日分解して掃除を行って、次の撮影に万全を期すのだそうだ。半世紀以上も愛されてきた特撮の世界をやさしく理解させてくれる本。先行する姉妹編も読みたくなった。巻末はウルトラセブンの歌のもうひとつの案の楽譜。これが初公開だそうだ。2022/12/07
へくとぱすかる
11
特撮の世界は外から見れば、何とバカバカしいことを考えているのだろうと思えるかもしれない。しかしそこに夢を託して大まじめに仕事を続けてきた、まさに汗の結晶ともいえる世界。文中にもある通り、SFXでは決してできない伝統芸だと言えるだろう。縫いぐるみに入る俳優さんの体験談はまさに知らなかった世界。発行後1/4世紀になろうとする今、特撮の世界はどうなっているのだろう?2014/01/25
退院した雨巫女。
7
《私-図書館》鬼籍に入った人の話も聞きたかった。でも、ウルトラマンランドに行けてよかった。私は、円谷プロに入りたかった。スタッフになりたかった。2018/09/09
ネスミス
3
大人から見たら馬鹿馬鹿しいことかもしれないけど、3-5歳までの時、ウルトラマンは確かに居てヒーローとして憧れていた。多分、それが父親に変わる時にウルトラマンはM78星雲に帰っていくのだろう。ウルトラシリーズ黄金期を支えた偉人と実相寺昭雄監督との対談。子ども向け番組を作る大人もまた少年なのだ。2018/05/19
えふのらん
2
ウルトラマンの裏方について書かれた本だけど、特撮班の工夫だけではなくカメラやデザインにもけっこうな頁を割いている。特に印象的だったのはカメラアングルの項で背景画と天井のギリギリを狙ったというエピソード。ローアングルなんて足元にカメラを置いて俯角をつければ撮れそうなものだが、着ぐるみで、しかもセット撮影とくれば相当な工夫が必要だったらしい。単なるフルショットでも背景画の限界を超えれば天井が見えてしまうのに、望遠で動き回る怪獣を捉えるためにどれほどの労力が必要だったのかは想像を絶する。2023/03/19