ちくまプリマーブックス<br> 自分のなかに歴史をよむ

ちくまプリマーブックス
自分のなかに歴史をよむ

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  • サイズ B6判/ページ数 204p/高さ 19X13cm
  • 商品コード 9784480041159
  • NDC分類 K201

内容説明

なぜ日本人がヨーロッパの歴史を学ぶのか。昔のヨーロッパの人びとが毎日をどのような思いで暮らしていたか、どうしたらわかるのだろう。歴史とは過去の事件の流れを追うことと考えられていたなかで、著者が確立した新しい歴史学の方法について語る。中学生から。

目次

第1章 私にとってのヨーロッパ
第2章 はじめてふれた西欧文化
第3章 未来への旅と過去への旅
第4章 うれしさと絶望感の中で
第5章 笛吹き男との出会い
第6章 二つの宇宙
第7章 ヨーロッパ社会の転換点
第8章 人はなぜ人を差別するのか
第9章 二つの昔話の世界
第10章 交響曲の源にある音の世界

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

崩紫サロメ

20
定期再読。著者が上原専禄に言われた「どんな問題をやるにせよ、それをやらなければ生きていけないというテーマを選ぶのですね」「解るということはそれによって自分が変わるということでしょう」などの言葉は今も印象深い。また、あとがきで著者は「男女の関係の問題」(今でいうジェンダー)を扱ってこなかったことについて言及しているが、「私にとって歴史は自分の内面に対応する何かであって、自分の内応と呼応しない歴史を私は理解することはできない」とする。歴史学の限界を認識した誠実な姿勢ではないかと思う。2021/03/30

Takayuki Oohashi

20
全集でこの項は読んでいたのですが、図書館から借りて読み直しました。中世西欧の人々が、自分や家などの小宇宙と、外界の自分の想像の及ばない大宇宙と分けて考えていたという件にハッとさせられました。その理屈でまたグリム童話などを読み解くと面白いという話だったと思います。あと、自分の内面と呼応しない歴史を私は理解出来ないという後書きの一文が心に残りました。もっと知識に対して理解を深めたいと思う所でした。2016/01/01

坂津

7
卒業論文を提出した後、研究テーマの見つけ方・研究への取り組み方の参考として先生から借り受けた本。「ちくまプリマーブックス」なので中学生にも読めるよう平易な言葉で書かれており、もっと早く読む機会があればと後悔した。大学生の時の先生との交流や、修道院でキリスト教について意識した中学生生活、30歳を超えてからのドイツ留学など、筆者の生い立ちを辿りながら、中世ヨーロッパの人々の精神について思索していき、その根底には大宇宙(マクロコスモス)と小宇宙(ミクロコスモス)の二つの世界が存在していることを見出す。2018/03/02

かも

6
★★☆☆☆著者が歴史研究家になる経緯と経過をまとめたエッセイ。E.H.カーの『歴史とはなにか』に似て、歴史を過去の出来事の羅列ではなく、現在につながる道と説いている。歴史に興味がなくとも心にささる金言がちらほら。「解るということはそれによって自分が変わるということ」はコミュニケーションの本質を言い当て、「現在の時点で過去の自分を新しく位置づけてゆく」はスティーブ・ジョブズのConnecting the dotsに通じる。2020/06/05

もりけい

5
歴史学が専門の著者の自伝。中世ヨーロッパの人びとの生活を著者の生い立ちから解き明かしていく。その中で閉じた村の小宇宙とキリスト世界の大宇宙の融合の考え方が印象に残った。2015/03/01

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