内容説明
岬近くの地での一夜の宿りに老女が語り出す薄倖の生い立ちを描いた「へんろう宿」、破産に瀕した田舎の自作農の悲しい終焉を叙す「荒廃の風景」、闇夜の山上で何万もの蛍が入り乱れ、蛍火の妖雲を捲き起こす光景を描く「蛍合戦」など、旅を愛した著者が、旅先の土地に暮らす人々を温もりのある筆致で綴った作品を収める。
著者等紹介
井伏鱒二[イブセマスジ]
1898年、広島県福山市生れ。本名満寿二。はじめは画家をも志すも、やがて文学に専心し、『鯉』『山椒魚』で文壇に登場。独自のユーモアと哀感ただよう多くの作品を書いた
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