内容説明
薬を飲まされて正体もなく眠る宝石商のかたわらで、妖艶な妻は若者と抱きつ抱かれつ、夜どおし秘戯春態のかぎりを尽くした…美しい淫婦と世間知らずの純情な若者の、爛れるような情痴の世界を描く「カルル・アル・ザマンと宝石商の妻」、ペテン師に翻弄される人の好い床屋の数奇な物語「紺屋のアブ・キルと床屋のアブ・シル」など、波乱に満ちた話の数々とともに、絢爛たる夢物語は大団円を迎える。
目次
紺屋のアブ・キルと床屋のアブ・シル(第九百三十夜‐第九百四十夜)
漁師のアブズラーと人魚のアブズラー(第九百四十夜‐第九百四十六夜)
ハルン・アル・ラシッド教主とオマンの商人アブ・ハサンの話(第九百四十六夜‐第九百五十二夜)
イブラヒムとジャミラー(第九百五十二夜‐第九百五十九夜)
ホラサンのアブ・アル・ハサン(第九百五十九夜‐第九百六十三夜)
カマル・アル・ザマンと宝石商の妻(第九百六十三夜‐第九百七十八夜)
アブズラー・ビン・ファジルとその兄弟(第九百七十八夜‐第九百八十九夜)
靴直しのマアルフとその女房ファティマー(第九百八十九夜‐第千一夜)
著者等紹介
バートン,リチャード・F.[バートン,リチャードF.][Burton,Richard Francis]
1821‐1890。イギリス生まれ。ヨーロッパ各地を放浪して育つ。大学中退後、軍に志願してインドに渡り、近東の諸言語・習俗を調べた後メッカ巡礼を果たす。ナイル川水源への探検、中央アフリカでの探検をはじめ、西アフリカ、ブラジル、シリアにまで足をのばした。奔放不羈、政府や上流階級と相容れず、晩年は辺境の領事として転々とし、生涯を終えた
大場正史[オオバマサフミ]
1914‐1969年。佐賀県生まれ。本邦初の『バートン版千夜一夜物語』の完訳を遂げたほか、外国文学、性風俗をめぐる、多数の著書・訳書を遺した
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