内容説明
小津映画では、サイレント期の作品から、飲食のシーンが印象的である。それはなぜだろうか。小津は、食べ物のシーンを通じて、日常のさまざまな出来事を描き、“日本の家庭”を丹念に表現しようとしたのではないか。どんなものに興味を示し、どのように食事シーンを撮ったのか。現存する作品を食の視点から見なおす。
目次
死とがんもどき
秋刀魚と大根
鱧
カレーライス
ラーメン
中華まんじゅう
珍々軒と東興園
鰻
料理屋の女将
とんかつ
おでん屋
寿司屋の客
草上の食事
家族団欒と同窓会
パン
コカコーラと沢庵
オナラと猫いらず
お土産と贈り物
果物嫌い
BAR
著者等紹介
貴田庄[キダショウ]
1947年、青森県弘前市生まれ。映画評論家、書物史家、工芸作家。早稲田大学大学院修士課程修了、芸術学専攻。77年から81年にかけてフランス留学、パリ装飾美術学校書物中央校修了
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
チェコ
4
秋刀魚、ラーメン、沢庵とコーラ、パンなどなど、お腹すく。小津が果物嫌いというのはいられてみればそうかという感じだった。2014/11/27
たくみ
1
タイトル通り「小津の映画から、食事シーンを取り出して、小津の食通ぶりを妄想する」一冊。決して、食事シーンからや食にまつわるセリフから昭和の時代性を考えるとかの、民俗学的な側面はほぼない。2015/05/23
JunKawa
0
小津映画を『食』を切り口にして分析していくが、著者の溢れ出る思いゆえか、話はしばしば(というより、しょっちゅう)横道に逸れていき、当初のテーマとは全く違う展開を見せていくのが面白い。後半は、さらに作品論や個人的な好みの話に拡がっていき、さすがに少しエスカレートしすぎではないかと感じた次第。2012/07/11
garth
0
中村伸郎は酒の飲める人なので、酒席の場面になると「私はせりふを完璧に暗記して臨んで、もっぱら飲み食ひを楽しんだ」ってあまりに映画のまんまの人柄!2011/12/22
tkm66
0
・・原節子の本でも書いたが、やはりこの著者の本はどうもダメで。2003/10/23