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ちくま文庫
ガリマールの家―ある物語風のクロニクル

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  • サイズ 文庫判/ページ数 253p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480038326
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

現代文学に大きな寄与をなしたフランスの代表的出版社ガリマール書店の創設者、ガストン・ガリマールの訃をきっかけに1950年代後半の渡欧体験が甦る。ネルヴァル、プルースト探索の旅の途上で出会ったフランス人の深い孤独、芸術家の内奥への想いを透明なタッチで織り上げたエッセー風小説。付録としてフランシス・カルコによる詩「モルトフォンテーヌ―ネルヴァル組曲」を収める。

著者等紹介

井上究一郎[イノウエキュウイチロウ]
1909‐1999年。大阪生まれ。プルースト『失われた時を求めて』の個人全訳を完成
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

syaori

52
仏の代表的出版社ガリマールの本社で、社屋で、一族や他の人々の住まいでもある「巨大な古い建物」ガリマールの家。そんな場所に住んだ約1年の思い出を綴った本。プルーストを研究する作者が語るのは、パリの静謐な生活や「自己の領域を」守る著名なまた無名の孤高の人々の面影、偶然の出会いが未公表のプルーストの書簡を見る機会に繋がる物語。その「魔法の」瞬間は、作者が幻視し垣間見た、自己の仕事に没頭するネルヴァルやファルグ、カミュやモンテルランたちの凄絶な孤独を照らし出し、芸術の美の秘密を一瞬、浮び上がらせるように思います。2020/06/08

うた

11
ガリマールと聞いて、ああ、プルーストのとわかる方は一度手に取られるといい。グラッセ社から『失われた時を求めて』を版権を“奪還”したガストン・ガリマールの訃報から始まる井上先生の回想録。行く先々でプルーストや当時の作家たち、ネルヴァルやマルタン・デュガールゆかりの地や風俗、縁者に出会い、作者と作品のあいだを丁寧にうめてくれる。2020/11/07

龍國竣/リュウゴク

3
ガリマールから、プルースト、ネルヴァルと繋がっていく。回想を「物語風のクロニクル」として綴ったこの作品は、その形式と共に縦横無尽なものである。それは「失われた時を求めて」を訳す文章の巧みさと、そこを離れようとする作者の意識のなした奇跡とも呼べる。井上究一郎が「ガリマールの家」を執筆した、それは「失われた時を求めて」の個人全訳に専念する最中のことだった。そんな時、奇跡とも呼べるこの作品が生み出されたのは、蓮實重彦が指摘する通り、必然だったのかもしれない。2013/06/25

AR読書記録

1
あかん... 私にはハイレベル過ぎた... ってか,もともとフランスの文化にいまいち共感をもてるところが少ないので... 秋頃,町田の国際版画美術館で作品を見たスゴンザックって人が,そういう位置づけの画家やったんかーと思い出したくらいでした...2011/03/30

ウシ

1
文庫版も入手。これで旅行にも持っていける。2009/03/22

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