ちくま文庫
恋する文楽

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 284p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480038036
  • NDC分類 777.1
  • Cコード C0174

内容説明

三味線がデンと鳴り、太夫の口から最初の音がこぼれたとき、人形にはもう命が漲っているのだ―。心中への道行きに、仇討ちにすべてを賭ける人々に、観る者は何故か涙が流れてとまらない。これぞ芝居、これぞ文楽!いま、静かなブームを呼んでいる古典芸能の世界へと読者を御案内します。

目次

第1章 わが愛しの文楽(男は過去を、女は未来を見た―『曽根崎心中』;忠義という名の理不尽―『伊賀越道中双六』 ほか)
第2章 文楽の男たち(黒衣の誘惑;「出す、出さない」の禅問答 ほか)
第3章 文楽追っかけ日記(五月 東京・国立劇場;五月 湯布院文楽 ほか)
第4章 文楽の新しい波(若き挑戦者たち;食わず嫌い、ちゃう? ほか)

著者等紹介

広谷鏡子[ヒロタニキョウコ]
1960年香川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、NHKに勤務。『不随の家』(集英社)で第19回すばる文学賞を受賞。『げつようびのこども』(集英社)が芥川賞候補に。文楽の熱烈なファンで、1996年にNHK主催の公演「文楽てこんなおもろかったん?―現代大阪弁版・曽根崎心中」を企画した
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

tom

16
文楽にトチ狂ってしまった女性が、東奔西走。文楽を観るために、東京、大阪だけじゃなく、各地の芝居小屋まで走り回る。そして、見るたびに感動の涙々。私も文楽が好きだから、彼女の気持ちは分かるのだけど、涙を流したことはないなあと、彼女の熱中ぶり、感動ぶりに驚いてしまう。おまけに、彼女は役得から、楽屋にまで侵入して名人とお話しするし、若手とはインタビュー名目で一献。なんともうらやましい。彼女が立案したという大阪弁曽根崎心中、生ものを見てみたい。2019/08/24

さくらこ

12
文楽への愛に溢れている本。研究者でも評論家でもない文楽ファンが好きなことを思いっきり「好きだー」といっているから、読んでいて気持ちがいい。まだ1回しか見たことがない文楽。せっかく大阪にいるんだから気軽に見に行けるようになりたい。最近は能も見に行っていなくてファンとして義務が果たせていないような気がする。能と文楽、置かれている状況としては共通するところが多い。「古典芸能、それとも芝居?ーパリの劇評に思う」が印象的。そうそう、古典芸能の評論って「誰か」や「何か」との比較で溢れている。「古典」の冠のつかない純粋2013/03/29

takao

3
ふむ2024/10/23

たくのみ

3
忠義という理不尽を徹底的に描くことで、底辺の人たちの壊れる心を癒すのが文楽。奥が深くて、悲しくて、激しくて、やさしい。知らなかったことがもったいない。 著者のすさまじき「文楽愛」にあてられっぱなしでした。映画もミュージカルも吹っ飛ぶ「女殺油地獄」。テレビでやらないかしら。素敵な入門書。2012/08/08

Michio Arai

1
女性向けの文楽入門書でした。題名の由来がこの本の冒頭にあります。作者が失恋しかけの交際相手と一緒に文楽を見て、そのとりこになったとのこと。失恋と引きかえに文楽(の登場人物で恋をする女性)に恋をしたという。女殺油地獄 豊島屋の段のクライマックスシーンに魅入っているうちにお吉と与兵衛を遣っている人形遣いが舞台から消え、大夫と三味線も消えたとのこと。・・・・「これこそが、『三位一体』語り、三味線、人形がまさしく一つになった瞬間なのだ。」なんと感性豊かな人だと感心します。いうまでもなく、文楽は三業一体の総合舞台芸2015/12/01

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/93749
  • ご注意事項

最近チェックした商品