内容説明
イタリアの古都フィレンツェを訪れ、はじめてルネサンスの息吹にふれた若き日の詩人リルケは、その感動を生涯の星ルー・サロメに書き送った。15世紀の輝かしい芸術の春を典雅な筆致で描き、芸術家の創造と孤独と苦悩に思いを馳せ、都市の深みを幻視する書簡体エセーを、この作品と衝撃的な出会いをもった森有正氏渾身の清冽な名訳でおくる。
著者等紹介
リルケ,ライナー・マリア[リルケ,ライナーマリア][Rilke,Rainer Maria]
1875‐1926年。プラハ生まれ、オーストリアの詩人
森有正[モリアリマサ]
1911‐76年。東京大学仏文科助教授を経て、1950年渡仏。後パリに定住し、26年間、ソルボンヌ、国立東洋語学校などで、日本語や日本の文学と思想を講じる
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あくび虫
3
好きなような、そうでもないような……。とにかく、そのうちもう一度読み返したいです。印象としては、ひどくむらっけがある。猛然とページを繰る時もあれば、視線を向けたまま意識が飛んでいる時もあったり。――とはいえ、しばらくは忘れられないと思います。2,3か所、衝撃を受けるくらいに共感しました。漠然とした考えを、唐突に丸めて突き付けられたみたいで、ちょっと怖かったです。――訳者の前書きとか、註釈がないところが好き。そして著者の公私混同な書きっぷりも好きです。手紙以上、本未満。徒然なるリルケさんの思考実験ノート。2017/02/11
みかん
0
芸術家として春を生きる2017/06/29
miho
0
中学生のころ「海猫」で知って好きになったリルケ。いやなことも哀しいことも辛いことも、美しい言葉で表現して歩いて行くことを教えてくれた。2013/07/18