内容説明
江戸庶民の暮らしを、いきいきと描いた岡本綺堂の名作「半七捕物帳」に見られる江戸の人情・風俗・生活習慣・風物詩や四季おりおりの町の表情。それら半七の世界を手がかりに、私たちの原風景とも言うべき江戸の生活空間を探索する。江戸・街道の考証・研究の第一人者である著者が綿密な調査と郷愁をこめて描いた歴史エッセイの傑作。
目次
春(正月(初日の出・初詣で;諸大名の御礼登城(年賀) ほか)
二月(初午;お事収めと針供養 ほか)
三月(花見;静かだった上野の花見 ほか))
夏(四月(初鰹;衣更え ほか)
五月(梅雨と五月晴れ;端午の節句 ほか)
六月(小富士巡り;手習い師匠への入門日 ほか))
秋(七月(虫干し;七夕前夜 ほか)
八月(八朔;十五夜 ほか)
九月(忙しい衣更え;菊人形;十三夜(後の月見) ほか))
冬(十月(炉びらき;お十夜 ほか)
十一月(猿若三座の顔見世狂言;酉の市 ほか)
十二月(煤掃き;歳の市;節季師走 ほか))