内容説明
身近にありながらも、アジアは未知の世界だ。さまざまな町のさまざまな生活や風俗、文化、名所旧跡、あたりをとりまく野生の自然。中国をめぐり、韓国、東南アジア、インドネシアの島々、ネパールからインド、そして、東西の交わるイスタンブールへ。眼と感覚の驚きや未知の恍惚体験を求めて、「不思議な町」を生き生きと語る紀行文学。
目次
桂林―水と樹と少女と
昆明と雲南省の不思議
広州―エグゾティスムの市場
北京の位置と広さについて
杭州―「美女」としての町
上海という名のメトロポリス
プサンとふたつの温泉地
慶州、扶余、儒城、利川
ソウルの朝食
香港一九九〇年〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふゆきち
5
前作よりも描写が精密。ヨーロッパよりも身近に感じる町もあれば、より遠くに感じる町も。行ってみたいところが増えます。2024/07/04
ナウラガー_2012
1
1728に建設された比較的新しい人工都市。「風の宮殿」:マハラジャの女達が顔を見られずに街のありさまを眺められるように表面に無数の小窓や透し窓を彫りぬいてある5階建ての建物/18C後半にインド亜大陸の支配権を手中にし、19Cを通じてこの植民地を第二の帝国に仕立てて行った英は1912、首府をカルカッタからデリーの南郊に移しその後20年ほどの月日を費やして計画都市ニューデリーを作った
ナウラガー_2012
0
【桂林】漓江下りは80kmの川旅、3億年以上前にこの辺りは大洋の中にあり、いつしか隆起して海底の石灰岩が風水に浸食された結果。日中戦争のさなかに革命軍は八路軍の一部を武漢から移し、その司令部をここに置いた。1944秋、近郊まで南下してきた日本軍の猛威に耐えるべく司令部はこの複雑な地形に火を放って視界を広げようとしたが日本軍に占領された。1945日本軍は撤退を余儀なくされ、去り際にまた再び火を放ち5万数千の民家が焼かれた/【北京】天安門広場は後楽園球場が10個分くらい入る広さで100万人を超す集会もできる
ナウラガー_2012
0
には四対の眼が描かれる。これは世界の一切を見通すブラフマンの眼で、一化身とされるブッダの眼/【ヴァラナスィ(ベナレス)】インド最大の聖地で聖なるガンガーとともにある。5㎞ほどにわたってガート(石段状の沐浴場)がある。ティプシー・ビール。ニーム(植物の小枝で歯を磨いている)/【アグラ】タージ・マハール(ムスターズ・マハルとも。ムスターズは”呼ばれし者”、マハルは”後宮”の意=亡き妻ムスターズの墓所であると同時に彼女自身を体現するもの)/【ジャイプル】別名ピンク・シティ
ナウラガー_2012
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イスラム教を奉じたマタラム国がアジア各国との交易で栄えた国々だった。インドネシアの住民の9割がイスラム教徒(約一億数千万人)。イラクでも一千万強なので世界最大のイスラム教国と言える/【バリ】インドネシアの中でここだけヒンドゥー教の文化を持つ所/【カルカッタ】カーリー寺院:シヴァ神の妻ドゥルガーの変身形態・カーリー女神はカルカッタの守護神で地名の由来(カーリーガート→カーリーカタ)/【ネパール】クマリの住む中世建築の館はネワーリ語でアヒチャール(眼の穴の意)という。ストゥーパ(仏塔)