内容説明
落語をその“素型”に近い形に再構成し、好評を博した『落語百選』に続くシリーズ特別篇。品川遊廓の人間模様を描いた名作『品川心中』、だまされた幇間の心情が悲しくも可笑しい『鰻の幇間』、「死人にかんかんのう踊らせろい!」で有名な『らくだ』他、最も“落語らしい落語”を選りすぐった二十篇。
目次
品川心中
小言幸兵衛
浮世根問
大山詣り
蛙茶番
鰻の幇間
宮戸川
酢豆腐
岸柳島
三枚起請
らくだ
疝気の虫
お直し
代り目
宿屋の富
黄金の大黒
紺屋高尾
和歌三神
鰍沢
桃太郎
著者等紹介
麻生芳伸[アソウヨシノブ]
1938年、東京・葛飾生まれ。京華高校卒。映画・ジャズ、落語、本が大好きな芸能プロデューサー。林家正蔵、岡本文弥、高橋竹山、山田千里、エルビン・ジョーンズらのステージ、衣笠貞之助の映画の上映、津軽三味線や瞽女唄などのレコードをプロデュース(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かふ
15
図書館本で返却期間が来てしまったのでとりあえず感想。つまみ食い程度の読書。正月に落語を聴こうと思い借りたのだが実際に動画を聞いてから本文を読む感じに。そんな中で年末に見た川島雄三監督『幕末太陽傳』の中に『品川心中』があったとは新たな発掘だった。落語『居残り佐平次』(本編には未収録)を元にしているのは知っていたのだが。他に『三枚起請』もあった。川島雄三監督の落語好きが伺えた(この本とは関係ないけど)。その他『大山詣り』が面白かった。2023/01/19
いちねんせい
15
5年ほど前、「しばらく日本に帰れないならこれを持って行って」と元同僚がくれた本。小説ならすぐに読み終わるけど、これなら上下巻あってかなり時間かかると思うよ、と彼女は言ったけど、実際最後まで読むのに5年かかった。昔よく聴いた枝雀の「高津の富」、江戸の場合はこうなるのかと面白かった。最後の解説も好き。寄席に行きたくなった。「嘘じゃありゃせん、ほんまじゃで」のトーン、懐かしいなぁ。2016/02/12
マカロニ マカロン
7
個人の感想です:B。『小言又兵衛天下無敵・血戦護持院ヶ原』(飯島一次)を読み、その名の元となった落語「小言幸兵衛」に興味を惹かれ、読んでみた。この本は特定の落語家さんの話をテープ起こししたものではなく、「落語をその「素型」に近い形に再構成した」ということで、短く話の要点が良くまとまっている。「小言幸兵衛」も20頁で納まっているが、六代目三遊亭圓生さんのCDだと、30分以上の話で、素型にネタや間合いを織り込んで更に面白さが増すのだろう。魚屋への小言、「追剥は護持院ヶ原と昔から決まっている」の引用元を確認。2018/06/24
てっしー
6
江戸の庶民の文化を知る上で、落語は最も相応しいテキストではないでしょうか。市井の喜怒哀楽が詰まっています。ただ、数多ある古典落語から選りすぐっている割に、似たテイストのはなしが多いかな。特にお金に関するネタが多いかも。そもそも落語自体に登場人物があきんどのはなしが多いからでしょうか。また、今はもう演じられなくなったものも多数含まれています。必ずしもポピュラーなものを選んだわけではなさそうです。(特選とは何ぞや?)解説は素晴らしかったので、ちくま文庫の落語絡みは、また古本屋で見つけたら買います。2013/02/22
イシザル
3
渥美清で「小言幸兵衛」「らくだ」とか、聴きたかったなあー合うだろうなー きっとみんな笑顔になるだろうなー うちの姪っ子なんか腹抱えて笑うんだろなぁ。 なんだよおまえは ないもんはないんだ しかたないだろ 往生際が悪いやつだねーあるもんでがまんしな 。2017/09/26