内容説明
「やくざは、むかし八九三と書いた。…花札賭博でいうブタ―点数にならないカス札からきたわけである。」やくざはいつ発生し、なぜ現代社会に存在しつづけているのか?そして、どこへ行こうとしているのか?戦国末期の遊侠無頼から山口組まで、約500年におよぶ、やくざの歴史、政治・社会とのかかわりなど、やくざの全体像を初めて解き明かした名著。
目次
第1章 カブキ者と遊侠無類
第2章 火消人足全盛時代
第3章 アウトローの本流・博徒
第4章 博徒指導の秩父困民党一揆
第5章 近代やくざの登場
第6章 テキヤの社会主義運動
第7章 やくざと政治権力
第8章 血と泥の叛逆―谷川康太郎論
終章 暴力団の現実的意味
補遺 あとがきにかえて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
叛逆のくりぃむ
6
やくざの本は數あれどこれほど詳細を極めたものは少ない。やくざを始めとする「遊侠」、「匪賊」の歴史を見えることで彼等が歴史のもうひとつの主人公であることを知ることができる。2014/03/21
出口求
2
日本史の勉強にもなる良書です。近現代史は特にわかりやすくなると思います。何も持たぬ弱者が何かを作り出すためには、「暴力」を使うしかないという終盤の一文には恐ろしさとともに、やりきれなさを感じました。本来であれば自覚的なアウトローであり、拒絶された者たちであるはずのヤクザ者たちがどのようにして巨大化していったのか。ぜひお読みください。「社会で全うに生きていけない人間を雇って仕事を与え、その組織のルールの下で働かせる…ってたけし軍団と構造同じ!」と思った私は本当に凡人です(笑)。2015/12/12
矢場町
2
ヤクザの日本史。序盤は読むのがつらい。政府権力の強大さを実感した。あとがきの三島自殺の裏話が面白かった。2014/04/12
真夏みのり
1
やくざとは、被差別階層の、生き残るために残されたただ一つの、しかも最悪かつ最強の反逆のトリデである。2011/08/03
冬至楼均
1
授業では教えられない裏の歴史。2009/11/14