内容説明
日光霊城審議に敗れた熊木伯典は狭い居宅に移りみじめな生活に落ちていたが、娘、お園はある計画を持って那須で養生する佐藤兵之助に近づく。家出をした公太郎もまた、この那須に身を寄せていた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
アヴィ
1
再び原点に返り築城問答となるが、兵之助には親の仇とかいうよりも、単に築城の軍師としての能力を試したいという感じが強い。そして仇敵である熊木伯典の娘であり、公太郎の妹であるお園との関係が微妙に近づいたり離れたりと、こういった駆け引きはあまり時代による違いはないようだ。公太郎は相変わらず思ったまま、自分がやらなければいけないことにだけ自由に生きている。2025/09/29
tsukamg
0
兵之助とお園の恋物語。敵同士ゆえに、かえって抜き差しならぬところへはまっていくのだが、お園の兄で主人公の公太郎が、二人が逢瀬を重ねる場所のすぐそばにのんびり住んでいたというのが可笑しい。2016/04/05