内容説明
文政十年、房州清澄山に軍学者頼母木介堂を訪ねた若侍がいた。築城問答勝者熊木伯典と江戸へ出て芸者小里となった村の娘お雪との間に出来た運命の子公太郎である。父伯典に似ず明朗で純真無垢な自然児だが、いつも影法師という邪魔が入り失敗ばかりをくり返す。因果はめぐる糸車、好漢公太郎の運命に投影する伯典の行状。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
寺(いつも上品でごめんね)
60
レビューは全巻読んでから書こうと思うのだが、この「神の如き白痴」と評される主人公・熊木公太郎は凄い!みんなにも読んでほしいぐらい。好きにならずにいられない主人公。というわけで3巻のレビューはこのぐらいにしといてやる❗️(゜o゜)\(-_-)。2019/06/12
tsukamg
0
主人公編とあり、時代設定が二十年経過してしまった。菊太郎は主人公ではなかったのか。本巻に登場するのは公太郎。明朗型の若侍だ。なるほどたしかに主人公っぽい。だが、なんと彼の父親は… 面白さだけでぐいぐい読ませます。2016/03/24
アヴィ
0
さすがは大長編の大河小説、主人公の登場が3巻目という気の長さ。だが満を持して登場しただけにこの熊木公太郎、数ある時代小説の魅力有る主人公と比肩しても全く遜色ない、というか稀に見るキャラクター。おバカとか天然キャラとかそんな軽い言葉では現せない、痛快な面白主人公。この主人公の登場により、物語は第二世代へと移行していく。果たして佐藤家熊木家の関係は…4巻へ。2025/09/27