ちくま文庫<br> あぶく銭師たちよ!―昭和虚人伝

  • ポイントキャンペーン

ちくま文庫
あぶく銭師たちよ!―昭和虚人伝

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 317p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784480034458
  • NDC分類 281.04
  • Cコード C0136

内容説明

強烈なカリスマ性や驚くべき錬金術によって、バブルの頂点をきわめた6人の男女…。リクルートの江副浩正、地上げ屋早坂太吉、“大殺界”細木数子、フジサンケイグループの鹿内父子、代々木ゼミナールの高宮行男、“山陰の女帝”斎藤都世子。現代の虚業家ともいうべき彼らの実像を迫力ある筆致で描き出す。『カリスマ』『巨怪伝』などでビジネス界の謎をあばいた筆者による人物ルポの傑作。

目次

理念なき膨張・江副浩正の自爆
地上げの帝王・早坂太吉の墜落
利殖としての予備校・高宮行男の貧欲
大殺界の怪女・細木数子の乱調
父子テレビの野望・鹿内春雄の殉職
虚飾の家元・斎藤都世子の背徳

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

nonpono

45
題名が「あぶく銭師たちよ!」だよ。「昭和虚人伝」だよ。バブルの早坂太一、リクルートの江副浩正など出てくるが、晩年までしぶとく元気だったのは細木数子か。あの年に1回だす占いの本、妹が買っているのを知り驚いた。10代でサンドイッチ屋を開き、元手で喫茶店を買い最後はクラブ経営の凄腕。島倉千代子の借金をまとめたり、占いに目をつけ大家を凋落したり細木数子の良くも悪くもバイタリティーを浴びる。晩年、細木数子が指名するだけでホストがナンバーワンになるなんて、もうあっぱれ。配信サイトでドラマ化の噂が。見たくてたまらない。2024/11/15

kawa

36
元は1989年刊。まな板に載せられ切られる人物は、江副浩正(リクルート創業者)、早坂太吉(地上げ業者)、高宮行男(代々木ゼミ創立者)、細木数子(占い師)、鹿内春雄(フジ・サンケイグループ初代議長)、斎藤都世子(みやこ編物創立者)。今ではウィキにも、うまくひっ駆らない人がほとんどなんだけれど、バブルの当時はテレビや週刊誌でさかんにやられた人々。今や登場人物も著者も、あちらに逝ってしまっている「つわものたちの夢のあと」状態なのだけれど、その後の著者の盗用・剽窃問題も含めて人生って皮肉で懐かしくて面白い。2025/12/10

Akihiro Nishio

26
初版1989年。バブル時代に巨万の富を得たのち急速に落ちぶれていく6人の評伝である。リクルートを立ち上げた江副浩正、地上げの帝王早坂太吉、代々木ゼミナールを興した高宮行男、細木数子、フジサンケイグループを牛耳る鹿内一族、ファッションでマルチ商法を生み出した斉藤都世子が描かれる。虚構に基づいたビジネスモデルと、背後に潜む本人らの強烈な個性が鈍い光を放つ。特に江副の人格における奇妙な二重性と、驚くべきことに美女として注目され、時に女のにおいを放ちながら成り上がった細木の話が強烈であった。2019/04/22

harass

20
バブル期の代表的な虚業実業の六人に取材したルポタージュ。実在の癖者ばかりで彼らの出自と信じられないボロ儲けの手口と没落を描く。この中で唯一健在なのは細木数子だ。個人的に、一番最初のリクルート創業者江副浩正の項目に嫌気がさした。彼の行動の理由について、「~かもしれない」とか「~のような気がしてならない」といった推理や推察が連鎖している箇所があり根拠が薄く強引さに突っ込みを入れまくる。他の話はそうでもないが気になった。どうもこの著者の悪いところが強く出てしまったのかなと感じた。短い作品だから特に鼻につくのか。2014/10/11

chanvesa

19
バブルの時代、世の中、狂っていた。しかしそれはヘーゲルの喩えではないが夕暮れになるまでわからないのであろう、リアルタイムでは面白がっていただけだった。今この時代にこのルポを読むと当時のグロテスクさが浮き彫りになる。しかしついこの前のITバブルの時代に跋扈したカネの亡者ども、彼らをルポルタージュに描く時代、その書を読む気になれるだろうか。2011/08/20

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/108379
  • ご注意事項

最近チェックした商品