内容説明
シチリア王レオンティーズは妻のハーマイオニと親友のボヘミア王ポリクシニーズの不義を疑い嫉妬に狂う。しかし侍女ポーライナから王妃の死の知らせが届き、後悔と悲嘆にくれる。時は移り、十六年後一同は再会、驚くべき真実が明かされる。人間の再生と和解をテーマにしたシェイクスピア晩年の代表的ロマンス劇。
著者等紹介
シェイクスピア,W.[シェイクスピア,W.][Shakespeare,William]
1564‐1616。イギリスの劇作家・詩人。悲劇喜劇史劇をふくむ36編の脚本と154編からなる14行詩(ソネット)を書いた
松岡和子[マツオカカズコ]
1942年、旧満州新京生まれ。東京女子大学英文科卒業。東京大学大学院修士課程修了。翻訳家・演劇評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
115
シチリアとボヘミア王の友情がどうやって生まれたのか不思議だが、異国情緒感はどちらもたっぷり。嫉妬に狂うと妄想が妄執となり狂気で悲劇をもたらすパターンか、と思うもあれよあれよの喜劇的展開。国の跡継ぎがいなければ国の安定が失われ民は祖国を失う、世継ぎを亡くした国の運命を憂う、といったくだりには なんとなく遠くない日本の未来を思う2022/01/27
KAZOO
92
シェイクスピアの悲劇や喜劇の分類にはあまり収められるとは思わないロマンスなのでしょうか?レオンティーズの独白を訳するのが非常に難しかったと訳者の松岡さんが書かれていますが、結構日本語訳にしてもすらっと読めていても考えるところが多く含蓄があるというのか難しい内容が多いですね。16年後の再開やその後のことなどを読んでいるとやはり晩年の作なのかなあと感じます。田中裕子さんが出たようで見たかった。2015/09/19
やいっち
49
いかにもシェイクスピア。ハーレクインも真っ青の物語。感想は……2024/07/30
優希
45
悲劇的な展開の前半だけで物語が描けそうな印象でしたが、話が進むに従って市井の人々の伸び伸びとした様子が生き生きと描かれていると思いました。後半になり喜劇へと変わっていくのが面白かったです。不義の疑いの嫉妬が16年経って驚くべき真実として明らかになるところなどツッコミどころもあるのがいいですね。再生と和解をテーマに様々な要素が盛り沢山の楽しい作品でした。2014/10/24
加納恭史
23
シェイクスピアの歴史劇は内乱とイギリスとフランスの百年戦争、赤バラと白バラのバラ戦争が交錯して読みずらい。特に「ヘンリー六世」は込み入って疲れた。史劇の対比や解釈は難しい。シェイクスピアの晩年の作のこの本はわりと筋は分かりやすく読み易い。シチリアの王レオンティーズは王妃ハーマイオニの不倫の疑いに悩まされる。王妃の相手はボヘミア王ポリクシニーズ。王妃が彼の訪問を引き延ばしたことから始まった。レオンティーズ王は貴族カミローにポリクシニーズを帰さず殺すことを命じた。王の嫉妬を貴族アンティゴナスも諫めようとする。2024/07/29
-
- 和書
- 保育者が学ぶ家庭支援論