内容説明
モンタギュー家の一人息子ロミオは、キャピュレット家の舞踏会に忍びこみ、その仇の家の一人娘ジュリエットと一目で激しい恋に落ちてしまった…。宿命的な出会いと、短かく悲しい破局をむかえる話はあまりにも有名であり、様々な悲恋物語のモチーフとなっている。その代表的傑作をさわやかな新訳で。
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本屋のカガヤの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
83
松岡さんの訳による2冊目です。4大悲劇のひとつです。松岡さんの訳は読んでいても小気味よさがよく表れているように感じます。いろいろ意味を持たせる表現やセリフがありそれをうまく書かれています。若干喜劇的なところもあったりします。このセリフを読むにつれ、うまくあまり長くない劇にまとめたという感じがします。2015/07/29
クプクプ
80
シェイクスピアは新潮文庫で数冊読んだだけでしたが、ある雑誌の記事の情報から、ちくま文庫の松岡和子さんの訳がいいと知り手にとりました。注釈が本文と同じページに書いてあるので理解しやすかったです。現在より科学が発達していない昔は縁起のいい植物などを信じていたと知りました。私は本来、物語の登場人物に感情移入する方ではないですが、ロミオとジュリエットの恋には胸が熱くなりました。しばらく松岡和子さんの訳でシェイクスピアを楽しみたいです。2021/09/13
やいっち
64
面白いし、あまりに有名な作品で、昔他の方の訳で読んだし、馴染みもあるので、仕事での中断を除けば一気読み。松岡版シェイクスピア作品も本作で9冊目かな。 「宿命的な出会いと、短かくも美しい悲恋物語……あまりにも有名な悲劇作品」なのだが、今回久方ぶりに松岡和子訳で読み返して、ロミオも若いが、ジュリエットも14歳の誕生日間近の13歳という年齢設定を再認識、驚いた。あまりに若い。美しくも短く萌え、なのか。2025/05/24
絹恵
44
地上の星に手を伸ばすような恋をしていました。美しい部分ばかりが切り取られる悲劇だけれど、退屈な恋愛よりも面白い面倒くささを楽しむものだと思います。そして血を贖えるのは血しかないという運命を突き付けています。仇の子供たちの恋はあまりにも刹那的で、それは現代の若さゆえの悲劇だとも言えると思いました。2014/08/30
鐵太郎
31
久しぶりに再読。今回は松岡和子さんの訳。読み返してみて、悲劇の要素はあまり感じられなかったのが不思議。それより感じたのは、無軌道・無責任な若者の思慮の浅い暴走と、修道僧ロレンスの謎。悲劇としては小粒なかんじ。 ──二人も殺したロミオの罪をまず掲げるべきだと思うけど、ジュリエットも間抜け。魔術師めいたロレンスは、修道僧であるのなら婚姻を司る権限はないのでは、彼は司祭の資格を持っていたのか、などと考えたけど、指摘する人はいないようなので違うのかな。2016/12/26