内容説明
原稿枚数1万5000枚に及ぶ世界最大の大河小説。魔剣「音無しの構え」に翻弄され無明の闇を遍歴する机竜之助を核に、多彩な人物が入り組み展開される時代小説の最高峰。大菩薩峠の頂上で老巡礼を一刀のもとに斬り棄てた机竜之助の無双の剣は、魔剣と化した…一大巨篇の発端から、江戸、京都、大和へと流転果てない運命をさすらう「甲源一刀流の巻」「鈴鹿山の巻」「壬生と島原の巻」「三輪の神杉の巻」を収める。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
80
NHK TV J ブンガクで取り上げられた。 切捨て御免の武士社会の歪んだ精神構造を描写。 放浪という視点で、放浪記、奥の細道、海の声などと共通点。 大菩薩峠は、映画になったとのこと。映画を見ると筋をより理解できるかも。2013/05/07
goro@the_booby
46
堪能いたしました。100年も前に書かれた物語。大衆文学の嚆矢ともいえるのでしょう。流れ流れて行く机竜之助。大菩薩峠で老いた巡礼を斬り捨ててから狂ってくる人生は竜之助だけでなく残されたお松、裏宿の七兵衛など多彩な登場人物と虚実を混ぜ合わせ、ドラマのような早い展開で、グングン突き進むのだ。竜之助は何処へ行くのか!気長に20巻まで付き合いましょうかね。面白いわ。2017/09/06
こうすけ
23
一応、経験のため一巻だけ読んでみようと思ったのだけど。これが想像を超える面白さで衝撃を受けた。文章は流れるようで読みやすく、物語はずば抜けて面白く、しかし単なる娯楽小説とは違う、どす黒いものが見え隠れする。 どうしよう。全部読めるのだろうか。読みたい。2020/05/04
ソングライン
13
青梅街道、甲州と青梅を境する大菩薩峠にある御岳神社の奉納試合、甲源一刀流の若道場主机竜之介は対戦相手宇津木文之丞を討ち殺してしまいます。文之丞の妻だったお浜を伴い出奔し、江戸から京都へと放浪を続ける竜之介。虚無を見つめ、容赦なく人の命を絶つ魔剣「音無しの構え」、竜之介が関わる新選組の粛清も描く第一巻、旅を続けるつもりです。2023/06/15
春ドーナツ
11
さて。「大菩薩峠」。あなたはご存知だろうか。昭和20年代生まれの人に尋ねたら「そんなの、当ったり前じゃん」という反応でした。大正2年から29年間書き続けて未完に終わる超大作。ちくま文庫版では全20巻なり。プロットに関しては、世界がマルチユニバースで、しかも並行宇宙だったら、「そういう」のもあり得るなと思う。私は眠狂四郎ファンなので、無意識のうちについ比較しながら読んでしまった。直截的には書かなかったが、私が本書をどう評価しているか、なんとなく汲み取っていただければ幸いです。2017/04/18
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