ちくま文庫<br> 猫が耳のうしろをなでるとき

ちくま文庫
猫が耳のうしろをなでるとき

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  • サイズ 文庫判/ページ数 171p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480031815
  • NDC分類 953
  • Cコード C0197

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

吉田あや

55
エイメの童話は初めて読むので戯曲との違いにドキドキしつつ、訳に岸田今日子さん、挿画に佐野洋子さんと、何とも嬉しい本書。戯曲と同じく柔軟でのびのびと飛躍していくような視点が面白い連作童話。エイメだけあって、かわいらしい童話…ではなく、人間のエゴも浅はかさも残酷さも淡々と織り交ぜられつつ。個性的な牧場や森の動物たちの思考の面白さや、道徳を説くこともなくシンプルに進められていく話は、どんどん続く日々を知りたくなる。2017/04/19

空猫

18
帯通り「かわいくてちょっと意地悪」なファンタジー童話。家にいる家畜だけでなく森にいる動物たちもみんな言葉を話す。農場に住む幼い姉妹は、いつも不機嫌な両親を始めとする大人たちと、みんな(言葉を話す動物たち)との知恵でなんとか乗り切ろうとする。子供向けにしては両親の悪い魔女並みの意地悪さが過ぎるか。特に最後の『ろばと馬』は…(-ω-。)。佐野洋子さんの少し不気味な挿し絵がぴったりかな。2020/09/16

コジターレ

7
『壁抜け男』『クールな男』が印象深かったマルセル・エイメが書いた童話ということで読んでみたが、期待していたほどではなかった。独特の設定や世界観、予想外に展開していくストーリー、一人称から二人称への変化がもたらす意味などの面白さはあったが、結末が腑に落ちない。皮肉なのか?でも子どもにそれは伝わらないんじゃないか?とモヤモヤが残る。2024/11/28

深海

3
新聞の書評でチェックしていたもの。現実と嘘がするりと馴染んでとても不思議な作品。佐野さんのイラストも毒のある感じで、好き。子供たちが動物になってしまう話が特に印象に残っている。自分が何者であるか忘れて、皆にも忘れられてしまうなんて、想像するだけで寂しい。2013/06/02

くろすけ

2
佐野洋子の絵と岸田今日子訳が珍しい古書。フランスの田舎、ある家族の暮しが舞台。登場人(動)物たちの駆け引きがシュール。両親は子供や動物に暴力を振るい自己弁護的で全く共感出来ない。動物は人間と言葉で会話し、ろくでなしの両親の間違いを正し諭す。姉妹と動物は両親からもたらされる苦境に知恵を絞り対抗する。学校の先生も堅物。子供や動物が賢く感性豊かに描かれ、大人は無知で理性が足りない。ラストは蛇足な一文「両親は(中略)しあわせでした。だって、本当はすてきな両親だったんですから。」で終る。皮肉?と考え込んでしまった。2021/03/11

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